経営者・代表者の個人名にネガティブな検索候補が出たら|法人と個人で違う窓口と対処の順番

経営者の個人名の検索候補を確認するイメージ(人物シルエットと虫眼鏡と検索バー)

経営者や代表者の個人名で検索したら、不穏な言葉が候補に並んでいた——そのとき最初にやるべきことは、候補を消そうと焦る前に、「個人名に出た候補なのか、会社名に出た候補なのか」「自分の環境だけの表示ではないか」を確かめることです。

個人名の場合は、会社名と違って、個人情報を理由にした申請が使える場面があり、相談先も法人と個人で分かれます。ただし、申請すれば必ず通るわけではなく、結果はケースごとに異なります。

この記事では、確認の手順、候補が出る理由、法人と個人の窓口の違い、個人情報を理由にした申請の考え方、弁護士に上げる線引き、日ごろの備えを、ITの専門家でなくても動ける形に整理します。なお、サジェスト(検索候補)とは、検索窓に文字を入力したときに自動で表示される予測キーワードのことです。

目次

経営者・代表者の個人名に検索候補が出たとき、まず押さえる3つの前提

個人名の候補に動揺するのは自然ですが、次の3点を先に押さえておくと、判断を誤りにくくなります。

  • 候補は事実の裏付けではない:検索候補は、多くの人の検索行動などをもとに機械的に作られます。「この言葉が出た=その内容が真実」という意味ではありません。
  • 個人名は同姓同名の情報が混ざる:同じ名前の別人に関する話題が、そのまま候補に出ることがあります。
  • 法人と個人では窓口が変わる:会社名の候補と個人名の候補は、申請の名義や理由の立て方が異なります(詳しくは後述します)。

個人名の候補が会社の評判に直結する理由

取引先、金融機関、採用の応募者は、会社名だけでなく代表者の名前でも検索します。個人名に不穏な候補が出ていると、会社そのものへの不安につながりやすくなります。取引先がどこで何を見ているかは、会社の評判はネットでどこまで調べられる?取引先が見ている5つの場所で整理しています。

やってはいけない初動

気になって候補のワードを何度も検索する、SNSで反論する、といった行動は避けてください。検索回数が増えると候補が残りやすくなる可能性があり、反論が新しい話題として検索されることもあります。まずは記録と切り分けです。

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代表者の個人名の検索候補を自分で確認する手順

確認は5分でできます。次の順番で進めてください。

  1. ブラウザでシークレットウィンドウ(履歴やログイン情報の影響を受けにくい閲覧モード)を開く
  2. 検索窓に代表者のフルネームを入力し、続けてスペースを1つ入れて候補を見る
  3. ひらがな表記・ローマ字表記・「会社名+氏名」の組み合わせでも同じ操作をする
  4. Google・Bing・Yahoo!の3つで確認する
  5. 表示された候補を、日付とあわせてスクリーンショットで保存する

3つの検索エンジンでの具体的な操作は、サジェストの調べ方|自社名の検索候補を自分で調べる3エンジン手順に画面つきでまとめています。

自分の画面と他人の画面は同じとは限らない

検索候補は、地域や過去の検索履歴によって見え方が変わることがあります。社内の別の人や別の端末でも確認して、同じ候補が出るかを見比べてください。仕組みはサジェストの見え方が人によって違う理由|同じ検索なのに候補が変わる仕組みで解説しています。

記録に残す項目

日付、使った端末、入力した検索語、表示された候補の順番を控えておきます。あとで削除の申請をするときも、弁護士に相談するときも、この記録がそのまま材料になります。

経営者の個人名の候補は、法人の窓口と個人の窓口でどう違うか

法人と個人で相談先が分かれることを表す、ビルと人物のシルエットのイメージ

会社名の検索候補は「事業への影響」、個人名の検索候補は「個人の権利(プライバシーや名誉)への影響」として整理されることが多くなります。同じ候補でも、誰の名義で、どの理由で申請するかが変わります。

法人の窓口で扱うもの

会社名に出た候補、商品・サービス名に出た候補は、企業として各検索エンジンの報告窓口に申請します。手順はGoogleサジェストの削除申請の手順|申し立てが通る条件と通らないときの次の一手と、Yahoo!サジェストの削除依頼はどこに出す?Bingの窓口と依頼文の書き方が参考になります。

個人の窓口で扱うもの

代表者の氏名に出た候補は、本人が名義人となって申請する形が基本です。本人確認を求められることもあるため、申請を代理人(社員や業者)に任せる場合は、どの名義で出すのかを先に決めておきます。

なお、Googleには、検索候補(予測)の不適切な表示を報告する窓口と、法令にもとづく削除を求める窓口が別に用意されています。画面や名称は変更されることがあるため、申請の前に必ず最新のヘルプページで確認してください。

個人名に不利な検索候補が出る主な理由

同姓同名の別人の話題が混ざる

「〇〇 一郎」という名前で検索する人が多い場合、同じ名前の別の人物に関する話題が、そのまま代表者の候補に出ることがあります。この場合は、候補が出ている事実そのものより、「別人であることを示す情報」を自社側で用意するほうが効果的なことがあります。

会社名や役職名と結びついて検索される

「会社名+氏名」「氏名+社長」のように、法人と個人が一緒に検索されると、会社に関する話題が個人名の候補にも反映されます。会社側の評判の状態も、個人名の候補に影響します。

過去の記事やSNS投稿が材料になる

過去の報道、口コミサイトの書き込み、SNSの投稿が話題になると、それを検索する人が増え、候補に現れることがあります。候補が生まれる仕組みそのものは、他の記事にまとめてあります。

個人情報を理由にした申請が使える場合と、その限界

検索バーと吹き出しで表す、個人名に表示される検索候補のイメージ

個人名の候補では、候補に含まれる内容によって、申請の理由を立てられる場合があります。たとえば、候補に自宅の住所・電話番号・メールアドレスなどの個人情報が含まれている場合は、各検索エンジンのポリシー上の報告対象になりうるとされています。

申請理由を立てやすいケース

  • 候補に、住所・電話番号・メールアドレスなどの連絡先が含まれている
  • 候補が、特定の個人を名指しして中傷する内容になっている
  • 候補の内容が、事実と異なる犯罪や不祥事を連想させる断定になっている

通りにくいケース

「評判」「口コミ」「年収」のような一般的な語は、それだけでは削除の理由として認められにくいのが実情です。また、申請しても、必ず削除されるとは限りません。断られたときに、次に何を試すかはサジェストの削除方法4つ|自分でできる対処と業者に頼む前の確認点にまとめています。

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申請が通らなかったときにできる、自社での情報発信

候補が消えなくても、検索した人が最初に目にする情報を整えることはできます。代表者の経歴、会社との関係、事業内容を、自社サイトの運営者情報ページに正確に載せておくと、同姓同名の別人と区別されやすくなります。書き方は会社概要・運営者情報の充実が信頼につながる理由|風評リスクを下げる書き方が参考になります。

同姓同名の別人と区別できる情報を置く

出身地、経歴、所属団体、顔写真など、本人だと確認できる情報を、公開してよい範囲で掲載します。公開する情報は、個人のプライバシーとのバランスを見て決めてください。

自社発信を増やして最初の画面を整える

インタビュー記事、寄稿、講演の告知など、代表者名で検索したときに上位に出る情報を、自社側で少しずつ増やします。即効性はありませんが、悪い情報に出会う確率を下げる方向に働きます。

消えるまでの目安と、再発したときの見方

代表者の個人名で検索したときの候補を確かめる流れを表すイメージ

申請が受け付けられたあとも、候補が消えるまでには時間がかかることがあります。期間の目安はサジェストの反映期間はどのくらい?出るまで・消えるまでの目安を確認してください。

一度消えても、また出ることがある

検索候補は、その後の検索行動によって再び生まれることがあります。同じ候補が戻ってきたときの見方と、次の動き方はサジェストが消えたのにまた出た|再発する理由と、次に取るべき動き方にまとめています。

記録の更新を続ける

候補の有無を、週に1回程度のペースで記録に追加していきます。増減の推移が分かると、申請や相談のときにも状況を説明しやすくなります。

自分で動く範囲と、弁護士に相談する線引き

次のような場合は、自社での対応の範囲を超えている可能性があるため、弁護士への相談を検討してください。

  • 候補や関連記事が、代表者個人を名指しして事実と異なる内容を断定している
  • 住所や家族に関する情報など、私生活に関わる情報が広がっている
  • 申請を繰り返しても改善せず、取引や採用に実害が出ている

相談前に準備しておくものや、依頼を検討するケースは、サジェストの削除は弁護士に相談すべき?依頼を検討する4つのケースと相談前の準備で整理しています。

相談先の選択肢のひとつとして

弁護士以外の相談先としては、運営元のサジェスト汚染対策サービス(https://access-link.co.jp/suggest-negative/)のように、成果報酬型のプランを用意しているものもあります。費用や対応範囲は事業者ごとに異なるため、複数を比べて判断してください。

日ごろの備え:個人名の候補を定期的にチェックする

日ごろの確認と備えで評判を守ることを表す、盾とグラフのイメージ

個人名の候補は、気づかないうちに変わります。問題が小さいうちに気づけるよう、代表者の氏名を、社内の定例チェックの対象に入れておきます。

監視するキーワードに個人名を入れる

「氏名」「氏名+会社名」「氏名+社長」のように、複数の組み合わせを登録するのが基本です。選び方は風評監視のキーワードの選び方|登録すべき7分類と優先順位のつけ方を、社内での運用は会社のエゴサーチのやり方|自社の評判チェックを仕組み化する7ステップを参考にしてください。

個人名=屋号のケースは特に注意

個人事業主や士業の場合は、代表者の氏名がそのまま屋号になることが多く、法人と個人の区別がつきにくくなります。この場合の見方は税理士・士業の評判を守る|指名検索で見られている場所と確認の手順でも触れています。

よくある質問

個人名の候補は、本人が申請しないといけませんか?

個人の権利を理由にする申請は、本人名義で行うのが基本です。社員や代理人が手続きを手伝うことはできますが、名義や本人確認が必要になる場合があるため、事前に窓口の案内で確認してください。

同姓同名の別人の情報が出ているだけの場合も、削除できますか?

候補が別人に関するものというだけでは、削除の理由として認められない場合もあります。まずは、自社サイトで本人の情報を整えて区別しやすくすることを優先し、必要に応じて窓口や弁護士に確認してください。

通販サイトの運営者名にも同じ対応が使えますか?

個人名の候補への対応の考え方は共通しますが、商品やサービスに関する「詐欺」などの語は、別の窓口や確認事項が絡みます。詳しくは通販の検索候補に「詐欺」と出たときの対処法|ECサイト運営者が確認すべき手順を参照してください。

まとめ

経営者・代表者の個人名にネガティブな検索候補が出たときは、①個人名か会社名かを切り分けて記録し、②法人と個人で窓口が違うことを踏まえ、③個人情報を理由にした申請が使えるかを確認する、という順番で動きます。

申請が通らないときも、自社サイトでの情報整備と定期チェックで、状況を悪化させないことはできます。実害が出ている場合は、早めに弁護士に相談してください。

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の事案については弁護士にご相談ください。

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この記事を書いた人

三田 健司のアバター 三田 健司 株式会社アクセス・リンク 代表取締役 / 認定SEOコンサルタント

(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント。株式会社アクセス・リンク代表。10年以上にわたりSEOコンサルティングとホームページ制作に携わり、40業種・100サイト以上の改善に立ち会ってきました。

この仕事をしていると「検索結果に何が出ているか」で問い合わせの数がはっきり変わる場面に何度も出会います。なかでもサジェスト(検索候補)は、本人がいちばん見ていない場所です。取引先や求職者から指摘されて初めて気づく、という相談が実際に少なくありません。

指摘される前に自分で気づける仕組みがほしい。そこから AccessSuggest を作りました。このブログでは、サジェスト汚染や風評被害について「まず自分でできること」を、専門用語を避けて書いていきます。

株式会社アクセス・リンク 公式サイト
(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント

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