ソーシャルリスニングとは|中小企業が自社の評判を見張るための始め方と最小構成

ソーシャルリスニングで集めた声を整理して評判を守るイメージ

ソーシャルリスニングとは、X・Instagram・口コミサイトなどに書かれた自社や商品への声を継続的に集め、傾向を読み取る手法です。大企業向けの高額なツールを契約しなくても、無料の機能だけで「見張りの仕組み」は作れます。この記事では、サジェスト(検索候補)の監視ツール「AccessSuggest」を運営する立場から、中小企業が最小の手間で始める構成と、週15分で回せる読み方を手順でお伝えします。

目次

ソーシャルリスニングとは|SNS上の声を集めて、評判の変化に早く気づく手法

SNS上の声を虫眼鏡とレーダーで見張るイメージ

「聞く」と「分析する」の2つで成り立つ

ソーシャルリスニングの「リスニング」は、自社名・商品名・店名などが書かれた投稿を集めることです。「分析」は、集めた声を種類ごとに分け、増えているのか、何がきっかけなのかを読み取ることです。マーケティングでは商品開発のヒント探しにも使われますが、この記事では「悪い評判の火種を早く見つける」守りの使い方に絞ります。

エゴサーチとの違いは「続けて見ること」

社名を一度検索して確かめるエゴサーチは、いわば一回きりの点検です。ソーシャルリスニングは、同じ条件で定期的に集め続け、前回からの変化を見る点が違います。エゴサーチの基本は会社のエゴサーチのやり方|自社の評判チェックを仕組み化する7ステップで解説しています。この記事は、その「仕組み化」を一歩進めた内容にあたります。

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大企業向けツールと中小企業の最小構成は何が違うのか

大規模ツールと小さな道具箱を天秤にかけるイメージ

大規模なソーシャルリスニングツールの特徴

専用ツールは、SNS全体の投稿を横断して収集し、投稿の感情(好意的か否定的か)を自動で分類し、レポートにまとめるといった機能を備えています。数万件規模の投稿がある大企業や、全国展開のブランドには向いています。一方で、契約や運用の負担が大きくなりやすい面もあります。

中小企業に必要なのは「手で読める量」を漏らさないこと

地域の店舗や従業員数十人規模の会社では、自社名に触れた投稿は、多くても週に数件から数十件程度のことがほとんどです。この量なら、人が目で読めます。必要なのは高度な分析ではなく、「悪い声が出たのに数日気づかなかった」という見落としを防ぐ仕組みです。まず無料でできる範囲から始め、足りなくなってから有料ツールを検討する順番で十分です。

中小企業のソーシャルリスニング最小構成|4つの窓口を決める

検索窓・通知ベル・星評価・候補リストの4つの窓口

声が出てくる場所は大きく4か所

評判に関する声は、次の4つの場所に出てきます。この4つを押さえれば、最小構成として成り立ちます。

  1. Xの検索:投稿が早く、拡散も早い場所。
  2. Googleアラート:ブログ・ニュース・掲示板など、ウェブ全体の新しい記事を知らせてくれる仕組み。
  3. 口コミ通知:Googleマップや予約サイト、求人サイトなど、自社が登録している場所に付く口コミのメール通知。
  4. 検索候補の確認:社名を検索窓に入れたとき、一緒に表示される言葉の点検。

最初に決めるのは「何を見張る語」か

見張る語が曖昧だと、集めた声が増えすぎたり、逆に抜けたりします。会社名の正式名称と略称、旧社名、商品名、店名、代表者名を最初に一覧にしておきましょう。選び方は風評監視のキーワードの選び方|登録すべき7分類と優先順位のつけ方にまとめています。

窓口①②|Xの検索とGoogleアラートの使い方

検索窓の絞り込みと通知ベルのイメージ

Xの検索で社名の投稿を拾う

Xでは、社名を検索窓に入れるだけでなく、完全一致や期間の指定、特定の語の除外といった条件を組み合わせられます。具体的なコマンドはXの高度な検索で自社の評判を調べる|期間指定・除外・完全一致のコマンド一覧に一覧があります。Xのアカウントがなくても、Yahoo!リアルタイム検索で社名を調べる|Xの評判をログインなしで確認する方法で投稿の動きをおおまかに確認できます。

Googleアラートで新しい記事を通知で受け取る

Googleアラートは、登録した言葉を含む新しいウェブページが見つかったときに、メールなどで知らせてくれるGoogleの無料機能です。社名を引用符で囲んで登録しておくと、表記が近い別の会社の記事を減らせます。登録する語の考え方や通知頻度はGoogleアラートの設定方法|自社の評判を見逃さない登録キーワードと通知の使い方を参考にしてください。

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窓口③④|口コミ通知と検索候補の確認

店舗の星評価と口コミ通知のイメージ

口コミの通知先を「誰か一人の個人メール」にしない

Googleビジネスプロフィールには、新しい口コミが付いたときの通知を受け取る設定があります。予約サイトや求人サイトの管理画面にも、同様のメール通知があるものがあります。画面の表記や設定場所は変更されることがあるため、実際の管理画面で確認してください。ポイントは、通知の宛先を担当者個人のアドレスだけにしないことです。休暇や退職で通知が途切れると、悪い口コミが数週間放置されることになりかねません。

検索候補は「声の結果」として定期的に確認する

社名の隣に出る言葉は、多くの人の検索行動が積み重なって表示されます。手動での調べ方はサジェストの調べ方|自社名の検索候補を自分で調べる3エンジン手順、毎月の確認を続ける方法はサジェストの監視方法|手動・スプレッドシート・ツールの3通りを比較にあります。ツールで自動化したい場合の評価軸はサジェスト監視ツールの比較|7つの評価軸と、手動運用との損益分岐点を見てください。

集めた声の「分析」のしかた|週15分で読む4分類と記録の型

集めた声を4つの箱に仕分けて分析するイメージ

声を4つに分けると対応が決まる

集めた声は、次の4つに分けると、誰が何をするかが決まりやすくなります。

  • 事実の指摘:実際にあった対応への不満。社内で事実確認をし、改善や返信につなげます。
  • 要望・質問:「営業時間は?」「予約できる?」など。公式サイトやFAQで答えを用意します。
  • 感情的な不満:言葉は強いが、具体的な事実が少ない投稿。すぐに反論せず、記録して様子を見ます。
  • 根拠のないうわさ・なりすまし:事実と異なる内容。証拠を残し、社内ルールに沿って次の対応を決めます。

記録は6項目だけで足りる

スプレッドシートに「日付・場所(媒体)・URL・分類・対応内容・状態」の6列を作り、見つけたものを1行ずつ記録します。画面が後で消えることもあるため、問題のある書き込みは魚拓の取り方|誹謗中傷の書き込みを証拠として残す方法の手順で保存しておくと安心です。

件数そのものより「前回との変化」を見る

週に3件の否定的な投稿が続く会社と、先週0件だったのに急に10件に増えた会社では、後者のほうが注意が必要です。毎回「今週は前回より増えたか、同じ話題が繰り返されているか」を一言メモしておくだけで、火種に気づきやすくなります。

ソーシャルリスニングと検索候補の役割分担

SNSの声と検索候補を矢印でつなぐ役割分担のイメージ

SNSの声は「原因」、検索候補は「結果」

SNSや口コミは、人が実際に書いた声そのものです。一方、検索候補は、その声を読んだ人たちが「この会社は大丈夫だろうか」と検索した結果として現れる言葉です。そのため、SNSで否定的な声が増えたあとに、検索候補へ変化が見えることがあります。検索候補が変わる仕組みはサジェストの決まり方と仕組み|Googleの検索候補が表示される4つの要因で説明しています。

どちらか一方では見落としが出る

SNSだけ見ていると、検索した人にどんな印象が残っているかは分かりません。検索候補だけ見ていると、何が原因なのかが分かりません。声(リスニング)で原因を見つけ、検索候補で見え方の結果を確かめる、という組み合わせにしておくと、対応の優先順位が付けやすくなります。

続けるための運用ルール|担当・頻度・連絡の決め方

カレンダーと担当者の引き継ぎで運用を続けるイメージ

担当は2人、頻度は週1回15分から

見張りの仕組みが続かない原因の多くは、担当が一人に偏ることです。主担当と副担当の2人を決め、毎週決まった曜日の15分でXの検索、アラートのメール、口コミ通知、検索候補の4つを順に見ます。月に1回は、見張る語が古くなっていないか(新商品、社名変更など)を見直します。

問題を見つけたときの連絡ルールを先に決める

事実の指摘や根拠のないうわさを見つけたときに、誰に連絡し、誰が返信や対応を決めるのかを事前に決めておきます。慌てて個人の判断で反論すると、投稿が拡散することもあります。社内ルールの作り方は会社への誹謗中傷の対応|社内でまず決めておくべき5つのルールを参考にしてください。

よくある質問

吹き出しと電球でよくある質問を表すイメージ

ソーシャルリスニングは無料で始められますか?

はい。Xの検索、Googleアラート、口コミの通知設定、検索窓での確認は、いずれも無料で始められます。投稿が増えて手作業では追えなくなったときに、有料ツールを検討すれば十分です。

非公開アカウントやDMの内容も確認できますか?

確認できません。ソーシャルリスニングで見られるのは、公開されている投稿に限られます。投稿者を特定したり、個人の発言を追いかけたりするための手法ではなく、自社に向けられた公開の声を把握するためのものです。

社名と同じ名前の別の会社の投稿が混ざります。どうすればよいですか?

検索語を完全一致にしたり、地名や業種を組み合わせたりして絞り込みます。同名の会社との混同が続く場合の見せ方は会社名が同じ会社と検索で混同されるときの対処|所在地・業種の見せ方にまとめています。

まとめ

盾とチェックマークで評判を守るまとめのイメージ

ソーシャルリスニングは、大きなツールがなくても、Xの検索・Googleアラート・口コミ通知・検索候補の4つの窓口で始められます。集めた声は4つに分類し、6項目で記録し、前回との変化を見ます。担当は2人にして、週15分の習慣にすることが、見落としを防ぐいちばんの近道です。

検索候補の確認は、毎日の手作業では続きにくい部分です。AccessSuggestでは、Google・Bing・Yahoo!の検索候補を自動で確認できます。無料プランもありますので、SNSの見張りと合わせて活用してみてください。

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この記事を書いた人

三田 健司のアバター 三田 健司 株式会社アクセス・リンク 代表取締役 / 認定SEOコンサルタント

(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント。株式会社アクセス・リンク代表。10年以上にわたりSEOコンサルティングとホームページ制作に携わり、40業種・100サイト以上の改善に立ち会ってきました。

この仕事をしていると「検索結果に何が出ているか」で問い合わせの数がはっきり変わる場面に何度も出会います。なかでもサジェスト(検索候補)は、本人がいちばん見ていない場所です。取引先や求職者から指摘されて初めて気づく、という相談が実際に少なくありません。

指摘される前に自分で気づける仕組みがほしい。そこから AccessSuggest を作りました。このブログでは、サジェスト汚染や風評被害について「まず自分でできること」を、専門用語を避けて書いていきます。

株式会社アクセス・リンク 公式サイト
(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント

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