Googleアラートは、登録した言葉を含む新しいページをGoogleが見つけたときに、メールで知らせてくれる無料のサービスです。会社名を登録しておけば、自社について書かれた新しい記事や書き込みに早く気づけます。
ただし、初期設定のまま社名を1つ登録しただけでは「通知がほとんど来ない」「関係ないページばかり届く」のどちらかになりがちです。評判チェックに使うなら、社名は引用符で囲む、件数は「すべての結果」、頻度は「その都度」か「1日1回以下」が基本です。この記事では、Googleアラートの設定手順と、風評チェックに向いた登録キーワード・検索演算子・通知の扱い方を、実務の順番で解説します。
Googleアラートでできること・できないこと
設定に入る前に、Googleアラートが何を見張っていて、何を見張っていないのかを押さえておきます。ここを誤解したまま運用すると、「アラートが来ないから大丈夫」と思い込んで、本当に危ない変化を見落とします。
Googleが新しく見つけたページを知らせる仕組み
Googleアラートは、Googleが新しくインデックス(検索結果に載せるために登録すること)したページのうち、登録した言葉を含むものをまとめて知らせます。つまり、通知の元になるのはGoogle検索のデータです。ページが書かれた瞬間ではなく、Googleに見つけてもらってから届くため、小さなサイトほど通知は遅れます。
拾えないもの|検索候補・SNS・地図の口コミ
風評チェックの観点で、Googleアラートが苦手なものは次のとおりです。
- 検索候補(サジェスト)の変化:検索窓に社名を入れたときに出る候補はページではないため、対象外です
- X・Instagram・TikTokなどの投稿:ログインしないと見られない投稿や、Googleにほとんど登録されない投稿は届きません
- Googleマップの口コミ:マップ上の口コミはアラートの通知対象として想定されておらず、新しい口コミを追う手段にはなりません
- すでにあるページの順位の変化:古いネガティブな記事が社名検索の上位に上がってきても、新しいページではないので通知されません
特に1つ目の検索候補は、社名を調べた人が最初に目にする場所です。検索候補の見張り方はサジェストの監視方法|手動・スプレッドシート・ツールの3通りを比較で整理しています。Googleアラートは「新しく書かれたページ」担当、と役割を決めて使うのが正しい位置づけです。
Googleアラートの設定手順
パソコンのブラウザで、Googleアカウントにログインした状態で進めるのが確実です。
アラートを作る4ステップ
- ブラウザで「Googleアラート」と検索し、Googleアラートのページを開く
- 上部の入力欄に、見張りたい言葉(例:
"〇〇工業")を入力する - 入力欄の下に出る「オプションを表示」を押して、頻度や件数を設定する
- 「アラートを作成」を押す
言葉を入れると画面下に「アラートのプレビュー」が出ます。無関係なページばかり並ぶ場合は、作成前に言葉を見直してください。
「オプションを表示」で選べる6項目
| 項目 | 選択肢 | 評判チェックでのおすすめ |
|---|---|---|
| 頻度 | その都度/1日1回以下/週1回以下 | 社名は「その都度」か「1日1回以下」 |
| ソース | 自動/ニュース/ブログ/ウェブ/ビデオ/書籍/ディスカッション/金融 | 「自動」のまま |
| 言語 | 日本語・英語などから1つ、またはすべての言語 | 日本語 |
| 地域 | すべての地域、または国を1つ指定 | すべての地域(国内向けなら日本でも可) |
| 件数 | 上位の結果のみ/すべての結果 | 社名は「すべての結果」 |
| 配信先 | メールアドレス(ログイン中はRSSフィードも選べる) | 担当者が毎日見るアドレス |
作ったアラートは、Googleアラートのページの「マイアラート」に一覧で並びます。鉛筆のアイコンで編集、ゴミ箱のアイコンで削除できます。届いたメールの下部にある「登録解除」からも止められます。
風評チェック向けのGoogleアラート設定

情報収集なら「上位の結果のみ」で十分ですが、評判チェックで見つけたいのは小さなブログや掲示板にひっそり書かれた1件です。こうしたページは「上位の結果のみ」だと間引かれやすくなります。
頻度・件数・ソースの決め方
私たちが中小企業の監視設計でおすすめしているのは、アラートを重要度で2段に分けるやり方です。
- 1段目(見落とせないもの):正式な社名、店名、代表者名。頻度「その都度」、件数「すべての結果」
- 2段目(傾向を見るもの):商品名、サービス名、業界の言葉と社名の組み合わせ。頻度「週1回以下」、件数「上位の結果のみ」
ソースは「自動」のままで構いません。「ニュース」だけに絞ると、掲示板やブログの書き込みが抜け落ちます。評判の火種は、報道より先に個人のブログや掲示板に出ることが多いためです。
配信時間とダイジェストで通知疲れを防ぐ
Googleアラートのページの歯車アイコン(設定)では、配信時間とダイジェストを設定できます。配信時間は、頻度が「1日1回以下」「週1回以下」のアラートを受け取る時刻です。ダイジェストをオンにすると、すべてのアラートの通知が1通のメールにまとまります。
アラートが増えると通知メールが何通も届き、やがて誰も開かなくなります。担当者が必ず見る時刻に1通にまとめて届くようにしておくと、見落としが減ります。
登録すべきキーワード|社名1つでは足りない
Googleアラートは、登録した文字列にしか反応しません。書き込む人は、こちらの正式名称どおりに書いてくれるとは限らないため、相手が書きそうな呼び方を先回りして登録しておく必要があります。
表記ゆれ・略称・代表者名・電話番号
架空の「株式会社〇〇工業」を例にすると、最低限、次のような言葉を登録します。
| 種類 | 登録例 | ねらい |
|---|---|---|
| 正式な社名 | “〇〇工業” | 「株式会社」を外して登録すると、前株・後株・省略のどれにも反応する |
| 略称・通称 | “〇〇工”、”マルマル工業” | 口コミや掲示板では略称やカタカナで書かれやすい |
| 店名・ブランド名 | “〇〇ハウス 宇都宮店” | 来店客は社名ではなく店名で書く |
| 代表者名 | “〇〇太郎” | 会社への不満が代表者個人に向かうことがある |
| 電話番号 | “028-000-0000” | 電話番号の口コミサイトや、番号を貼った書き込みを拾える |
| ドメイン名 | “自社ドメイン” -site:自社ドメイン | 自社サイトを話題にしたページを拾う(自社サイトは除外) |
どの言葉を見張るべきかの考え方は、風評監視のキーワードの選び方|登録すべき7分類と優先順位のつけ方で詳しく分類しています。Googleアラートに入れる言葉も、この7分類から選ぶと漏れが出にくくなります。
ネガティブな言葉と組み合わせるべきか
「〇〇工業 詐欺」「〇〇工業 評判」のように、悪い言葉と組み合わせたアラートを作りたくなりますが、先に作るべきは社名だけのアラートです。組み合わせにすると、両方の言葉を含むページしか届かなくなり、「態度が悪かった」「二度と頼まない」のように想定外の言い回しで書かれた不満を取りこぼします。
社名だけのアラートで通知が多すぎる場合に限り、2段目として「”〇〇工業” (評判 OR 口コミ OR トラブル)」のような絞り込みを足します。順番を逆にしないことが大切です。
検索演算子でGoogleアラートの精度を上げる

Googleアラートの入力欄では、Google検索と同じ検索演算子(検索の条件を指定する記号や命令)が使えます。評判チェックでよく使うのは次の4つです。
よく使う4つの演算子
| 演算子 | 書き方の例 | 働き |
|---|---|---|
| ” “(引用符) | “〇〇工業” | 言葉をひとかたまりとして扱う。社名が「〇〇」と「工業」に分かれて拾われるのを防ぐ |
| -(マイナス) | “〇〇工業” -求人 | その言葉を含むページを除く。求人サイトの掲載情報などを外す |
| OR | “〇〇工業” OR “マルマル工業” | どちらかを含むページを拾う。ORは大文字で書く |
| site: | “〇〇工業” -site:自社ドメイン | 特定のサイトに限る、またはマイナスと組み合わせて除く |
同じ名前の会社が多いときの絞り込み
社名が一般的な言葉の組み合わせだと、同名の他社や無関係な話題ばかり届きます。このときは、所在地や業種の言葉を足すのが効果的です。たとえば「”〇〇工業” (栃木 OR 宇都宮 OR リフォーム)」とします。条件を足すほど取りこぼしも増えるため、元の社名だけのアラートも「週1回以下」で残しておきましょう。
通知が来ない・多すぎるときの見直し方
通知が来ないとき
中小企業では、社名を含む新しいページが数週間出ないのは珍しくありません。そのうえで次の4点を確認します。
- 件数が「上位の結果のみ」になっていないか
- 引用符の中に言葉を詰め込みすぎていないか(”〇〇工業 宇都宮店 口コミ” のように長いと、ほぼ一致しない)
- 言語や地域を不必要に狭めていないか
- 通知メールが迷惑メールフォルダに振り分けられていないか
通知が多すぎるとき
原因の大半は自社サイト・求人サイト・同名他社です。自社サイトは「-site:自社ドメイン」、求人は「-求人」で外し、同名他社は前の章の絞り込みで対応します。ただし除外を増やしすぎると「採用面接の対応がひどかった」のような書き込みまで消えるため、最小限にとどめてください。
届いた通知の扱い方|記録と切り分け

Gmailのラベルで受信箱を分ける
Gmailなら、Googleアラートからのメールに専用ラベルを付けるフィルタを作っておくと埋もれません。複数人で見るなら、共有のメールアドレスを配信先にするか、RSSフィードを使う方法もあります。
見つけたら記録し、3段階で判断する
気になるページが届いたら、日付・URL・内容の要約を記録します。そのうえで「記録だけして様子見」「社内で共有」「専門家に相談」の3段階で判断します。判断の基準と記録の型は、会社のエゴサーチのやり方|自社の評判チェックを仕組み化する7ステップにまとめています。Googleアラートは、このエゴサーチの合間の新着を拾う役割です。
まとめサイトや匿名のブログに事実と違う記事が書かれていた場合の対応は、まとめサイト・アフィリエイト記事の削除依頼|連絡先は運営者・サーバー会社・広告主の3つを参考にしてください。取引先が自社をどこまで調べているかは、会社の評判はネットでどこまで調べられる?取引先が見ている5つの場所で解説しています。
Googleアラートと組み合わせたい監視

最初の章で見たとおり、Googleアラートだけでは検索候補・SNS・地図の口コミの3つが空白になります。それぞれ別の方法で埋めます。
検索候補(サジェスト)は専用ツールか定期の手動確認で
社名の検索候補に「詐欺」「やばい」のような言葉が並ぶ状態はサジェスト汚染と呼ばれ、ページを開く前の段階で印象を決めてしまいます。登録する言葉が増えてきたら、ツールでの自動取得を検討する段階です。選び方はサジェスト監視ツールの比較|7つの評価軸と、手動運用との損益分岐点で比較しています。
AccessSuggestは、登録した言葉の検索候補をGoogle・Bing・Yahoo!で毎日自動取得し、新しい候補が出たときだけメールで知らせるツールです。Googleアラートが「新しいページ」を、AccessSuggestが「検索候補」を見張る形にすると、社名検索の入口と中身の両方をカバーできます。
SNSと口コミは各サービスの機能で
Xの投稿は、X内の検索で社名を定期的に確認します。X内の検索候補に社名が出る仕組みはX(旧Twitter)の検索候補に社名が出る仕組み|確認と対処の手順で解説しています。Googleマップの口コミは、Googleビジネスプロフィールの通知をオンにすると新しい口コミをメールで受け取れます。低評価への対応はGoogleマップの口コミを削除依頼する手順|低評価が消えないときの動き方を参考にしてください。
よくある質問
Googleアラートは無料ですか?
無料で使えます。Googleアカウントでログインして作成すると、作ったアラートを一覧で管理でき、編集や削除も簡単です。
社名の検索候補に悪い言葉が出たら、Googleアラートで知らせてもらえますか?
知らせてもらえません。Googleアラートが対象にするのは新しく見つかったウェブページで、検索窓に出る候補は対象外です。検索候補は、手動で定期的に確認するか、サジェスト監視ツールで見張る必要があります。
まとめ
Googleアラートは、無料で5分あれば設定でき、自社について新しく書かれたページに早く気づくための有力な手段です。評判チェックに使うなら、社名は引用符で囲み、件数は「すべての結果」、頻度は「その都度」か「1日1回以下」にします。登録する言葉は社名だけでなく、略称・店名・代表者名・電話番号まで広げ、通知が多すぎるときだけ演算子で絞り込みます。
一方で、検索候補・SNS・地図の口コミは拾えません。Googleアラートは「新しいページ担当」と割り切り、検索候補の監視やSNSの確認と組み合わせて使いましょう。
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