指名検索数(社名や店名など、特定の名前を入れて検索された回数)は、Googleの無料ツール「Search Console」でほぼ確実に確認できます。あわせて「キーワードプランナー」を見ると、世の中全体での検索数の目安もつかめます。ただし、この2つが示す数字は意味が違います。この記事では、中小企業の経営者や店舗オーナーが、手順と数字の読み方を間違えずに毎月記録できるようになることを目指します。
指名検索数とは?調べると何が分かるのか
指名検索とは、「〇〇株式会社」「〇〇工業 評判」のように、会社名・店名・サービス名を入れて探す検索のことです。まだ会社を知らない人が「リフォーム 会社」のように探す一般的な検索(一般検索)とは区別されます。
指名検索数が大切なのは、「すでに名前を知っていて、わざわざ調べに来た人」の数を表すからです。名刺を受け取った取引先、チラシを見た近所の方、紹介を受けた求職者など、成約や応募の直前にいる人たちが多く含まれます。数が増えていれば認知が広がっている目安になり、急に減れば接点が減っているサインかもしれません。
また、指名検索は「社名の隣にどんな言葉が出るか」とも関係します。社名で検索する人が増えるほど、検索結果や検索候補の見え方が信頼に直結します。見え方を整える守りの考え方は、ブランドを検索で守る方法で解説しています。
指名検索数の調べ方は3通り|目的別の使い分け
指名検索数の調べ方には、大きく分けて3つあります。どれか1つで完璧に測れるわけではないので、目的に合わせて使い分けるのがコツです。
| ツール | 分かること | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| Search Console | 自社サイトが検索結果に表示された回数・クリックされた回数 | 自社の指名検索を毎月記録したいとき | 自社サイトが表示された検索だけが対象です |
| キーワードプランナー | Google全体での月間検索数の推定値 | 社名がどれくらい検索されているか大まかに知りたいとき | Google広告のアカウントが必要で、数字は幅や推定値で出ます |
| Googleトレンド | 検索の増減の「動き」(相対的な人気度) | 急な上昇や下降に早く気づきたいとき | 実数ではなく相対値です |
結論から言うと、毎月の記録の軸はSearch Consoleに置くのがおすすめです。キーワードプランナーは「検索数の目安」として年に数回確認し、Googleトレンドは異変の早期発見に使います。Googleトレンドの使い方はGoogleトレンドの使い方にまとめています。
Search Consoleで社名の検索回数を確認する手順

Search Consoleは、Googleが提供する無料のウェブサイト管理ツールです。自社サイトのドメインを登録し、所有権の確認を済ませておく必要があります。登録した日以降のデータが蓄積されていくため、まだ登録していない場合は今日のうちに済ませておくと、将来の比較に使えます。
社名の検索回数を表示する手順
- Search Consoleを開き、左側のメニューから「検索パフォーマンス」→「検索結果」を選ぶ
- 画面上部の「新規」からフィルタを追加し、「クエリ」を選ぶ
- 条件を「完全一致」にして社名を入力する(社名を含む語もまとめて見たいときは「含む」を選ぶ)
- 期間を設定する(選べる期間は最長で約16か月分です。仕様は公式ヘルプでも確認できます)
- 「表示回数」と「クリック数」のチェックを入れ、数字を確認する
Googleの公式ヘルプでは、表示回数は「サイトが検索結果に表示された回数」、クリック数は「検索結果からサイトをクリックした回数」と定義されています。指名検索数の目安として見るのは「表示回数」です。
数字を見るときの3つの注意点
- 自社サイトが表示された検索だけが対象です。社名で検索されても、自社サイトが結果に出ていなければ数えられません。
- 表記ゆれを分けて確認します。正式名称・略称・ひらがな・英字表記・旧社名はそれぞれ別のクエリです。正規表現のフィルタを使えば、複数の表記をまとめて指定することもできます。表記ゆれの洗い出しは風評監視のキーワードの選び方が参考になります。
- 検索回数が少ないクエリは表示されないことがあります。個人情報の保護のため、ごく少数の検索は一覧に出ない場合があります。小さな店舗では数字が「ゼロ」に見えることもあるので、その場合は次のツールや社名検索の手動確認と併用してください。
キーワードプランナーで社名の検索ボリュームを調べる手順
キーワードプランナーは、もともと広告を出す人向けのGoogle広告のツールです。社名がGoogle全体で月に何回くらい検索されているか、推定値を確認できます。Google広告のアカウントが前提になっており、設定の途中でお支払い情報の入力を求められることがあります。画面の案内に従って進め、不明な点は公式ヘルプで確認してください。
- Google広告の管理画面で「ツール」→「キーワードプランナー」を開く
- 「検索のボリュームと予測のデータを確認する」を選ぶ
- 社名(正式名称・略称など)を入力して「開始」を押す
- 「月間平均検索ボリューム」を確認する
見るときは次の点に気をつけてください。数字はあくまで推定値で、広告を出していないアカウントでは「100〜1000」のような幅で表示される場合があります。また、検索数が非常に少ないキーワードは、そもそも結果が表示されません。指名検索の少ない個人店や新しい会社では「データなし」と出るのは珍しくなく、その場合はSearch Consoleの数字を優先してください。
同じ社名でも、Search Consoleの数字とキーワードプランナーの数字が一致しないのは自然なことです。前者は「自社サイトが表示された回数」、後者は「Google全体の推定検索数」と、数えているものが違うからです。
指名検索数を毎月記録する型|スプレッドシート1枚でできる

指名検索数は、1回調べただけでは意味が出ません。同じ条件で毎月記録して、はじめて「増えた・減った」が分かります。スプレッドシートに次の列を作り、月初に前月分を入力するだけで十分です。
- 月(例:2026年10月)
- 社名(正式名称)の表示回数
- 略称・旧社名などの表示回数
- クリック数
- キーワードプランナーの目安(年に数回の更新で可)
- その月に行った施策(チラシ配布、プレスリリース、キャンペーンなど)
- 気づいたこと(急に増えた日、変な動きなど)
ポイントは、フィルタと期間(毎月1日〜末日)を毎回そろえることです。条件が変わると、数字の増減が本物か設定の違いか分からなくなります。また、季節で変動する業種は、前月比ではなく前年同月比で見るのがおすすめです。
数字が動いたときの読み方|増えた・減った・急に跳ねた
増えたとき
名刺・チラシ・広告・メディア掲載などの施策に心当たりがあれば、その成果の可能性があります。心当たりがないのに増えた場合は、SNSでの話題化や、ネガティブな出来事で名前が調べられている可能性もあります。社名で実際に検索し、1ページ目と検索候補に不審な語がないか確認してください。
減ったとき
季節要因、広告やチラシの停止、社名の表記変更などが考えられます。社名を変えた場合は、旧社名での検索が減るのは自然な動きです。自社サイトが検索結果の上位に出なくなっていないかも確認します。社名で1位に出ないときの原因は、社名で検索して自社サイトが1位に出ないときの対処で整理しています。
急に跳ねたとき
1日だけ急に増えた場合は、社内の人が確認のために繰り返し検索した分が含まれていないか疑ってください。検索の増減は、検索候補(サジェスト)の変化にも影響し得ます。仕組みはサジェストの決まり方と仕組みで確認できます。
指名検索を増やす施策|名刺・チラシ・看板など店舗外の接点

指名検索は、ネットの外で名前に触れた人が「あとで調べる」ことで増えます。つまり、オンラインの施策だけでなく、店舗外の接点を増やすことが近道です。
- 名刺・封筒・メール署名:社名を正式名称で統一して載せます。表記がぶれると、検索の入口も分かれてしまいます。
- チラシ・看板・車両:社名や屋号を大きく入れます。地域名や電話番号だけでなく、社名そのものを覚えてもらう設計にします。
- 商品パッケージ・領収書・請求書:手元に残るものに社名と公式サイトの名前を入れます。
- プレスリリースや取材:メディアに載ると、社名で調べる人が増えます。中小企業でも効果が期待できる使い方はプレスリリースの効果は中小企業にもある?で紹介しています。
なお、知人や社員に頼んで社名を何度も検索してもらうような方法はおすすめできません。数字が実態からずれて判断を誤るだけでなく、ガイドライン上の問題を招くおそれもあります。増やすなら、本物の認知を増やす施策に絞りましょう。
指名検索数と検索候補は別のもの|両方を見る理由
指名検索数が増えていても、社名の隣に出る検索候補に「評判」「怪しい」などの語が並ぶことがあります。検索数は「どれだけ調べられているか」、検索候補は「調べた人が何を気にしているか」を映すもので、両方を見て初めて全体像が分かります。検索候補の確認手順はサジェストの調べ方にまとめています。
手作業での確認が続かない場合は、当サービスのAccessSuggestのように、Google・Bing・Yahoo!の検索候補を毎日自動で確認できるツールもあります。無料プランから試せるので、自社の状況を見るだけでも使えます。
経営者が月に一度やる30分の確認ルーティン

最後に、毎月の確認をまとめた30分のルーティンです。月初の決まった時間に、同じ順番で進めます。
- Search Consoleで前月の社名の表示回数を記録する(5分)
- 略称・旧社名・英字表記も同じ条件で記録する(5分)
- シークレットウィンドウで社名を検索し、1ページ目の内容と自社サイトの順位を確認する(5分)
- 検索窓に社名を入れ、候補に不審な語がないか確認する(5分)
- 数字の動きと、その月の施策をメモする(10分)
このルーティンを3か月続けると、「普段の数字」が分かり、異変にすぐ気づけるようになります。
よくある質問
指名検索数が少ないと、会社として問題がありますか?
少ないこと自体が問題とは限りません。BtoBや地域密着の店舗では、もともと検索される母数が小さいのが普通です。大切なのは他社との比較ではなく、自社の数字が増えているか、急に減っていないかという推移です。
Search Consoleとキーワードプランナーで数字が違うのはなぜですか?
数えているものが違うためです。Search Consoleは自社サイトが検索結果に表示された回数、キーワードプランナーはGoogle全体の推定検索数です。どちらが正しいということではなく、目的に応じて使い分けてください。
自分や社員が検索した分も含まれますか?
含まれる可能性があります。自社サイトが表示された検索はすべて数えられるため、社内での確認作業も混ざります。急に跳ねた日は、社内の検索が原因でないかを確認しましょう。
まとめ
指名検索数は、毎月の記録の軸をSearch Consoleに置き、キーワードプランナーで目安を補い、Googleトレンドで異変を早く見つけるのが基本です。記録は同じ条件で続けることが何より大切です。数字の増減に心当たりがなければ、社名で検索して検索結果と検索候補を確かめましょう。
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