強調スニペットに会社名で不利な情報が抜き出されたときの対処|引用元を自社に置き換える

検索結果のいちばん上に、他社サイトの本文がそのまま四角く抜き出されて表示されることがあります。これが強調スニペットです。会社名で検索したときに、この枠へ自社にとって不利な一文が抜かれてしまうと、検索した人はページを開く前にその一文だけを読んで判断してしまいます。

対処の考え方はシンプルで、「その表示を消す」ことより「引用元を自社のページに置き換える」ことを狙うほうが現実的です。この記事では、強調スニペットの仕組みと、自社名で不利な抜き出しが起きたときに社内でできる確認・対処の手順を順番に説明します。

目次

強調スニペットとは?検索結果の最上部に出る「答えの抜き書き」

強調スニペット(フィーチャードスニペット)とは、検索した人の質問に対する答えらしき部分を、Googleがどこかのページの本文から自動で抜き出して、検索結果の最上部に大きく表示する枠のことです。文章がそのまま数行、あるいは箇条書きや表の形で表示され、その下に引用元のページタイトルとURLが小さく添えられます。

重要なのは、この枠に載る文章を書いているのは検索エンジンではなく、どこかのサイトの運営者だという点です。Googleは「この質問にはこのページのこの部分が答えになっていそうだ」と判断して機械的に抜き出しているだけで、内容の正しさを保証しているわけではありません。

サジェスト・虫眼鏡・PAAとの違いを整理する

検索結果まわりには似たような枠がいくつもあり、混同されがちです。枠ごとに仕組みも打ち手も違うので、最初に整理しておきます。

PAAと強調スニペットは「どこかのページの本文が抜き出される」点で似ていますが、PAAは質問リストの中の一項目、強調スニペットは検索結果の最上部を占める一等地という違いがあります。どちらも「自社で答えを書いて引用元になる」という同じ戦い方が効くので、セットで考えると効率がいいです。PAA側の考え方は「他の人はこちらも質問」(PAA)に不利な質問が出たときの考え方で詳しく扱っています。

会社名の検索でこの枠が問題になる理由

会社名で検索する人は、取引先の担当者・応募を考えている求職者・これから利用しようとしている顧客など、すでに関心を持っていて、判断の直前にいる人です。その人が最初に目にする数行が他社の書いた一文だとしたら、影響は小さくありません。

しかも強調スニペットは、抜き出された数行だけが目に入り、前後の文脈が省かれます。もとの記事では「一時期そうした指摘もあったが現在は改善されている」と書かれていても、前半だけが抜かれて表示されることがあり得ます。

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自社の会社名でどんな強調スニペットが出ているか確認する

まずは現状を正確に把握します。ここは特別なツールがなくてもできる作業です。

確認する検索語を先に決める

やみくもに検索しても抜けが出るので、次の型で検索語を用意します。

  • 会社名(正式名称・略称・カタカナ表記・英語表記)単体
  • 会社名+「とは」「評判」「口コミ」「やばい」「離職率」など、質問形になりやすい語
  • 会社名+「料金」「解約」「返金」など、条件を説明する必要のある語
  • 主力サービス名・商品名+同様の組み合わせ
  • 代表者名(個人名で検索されることがある業種の場合)

どの語を監視対象にするかの考え方は風評監視のキーワードの選び方|登録すべき7分類と優先順位のつけ方にまとめてあります。強調スニペットは質問形の検索語で出やすいので、「とは」「なぜ」「どうやって」がつく語を厚めに用意するのがコツです。

シークレットウィンドウで、PCとスマホの両方から見る

ログイン状態や過去の閲覧履歴によって検索結果は変わります。ブラウザのシークレットウィンドウ(プライベートウィンドウ)を使い、可能なら会社のWi-Fiではない回線からも確認してください。表示のされ方が人によって違う仕組みはサジェストの見え方が人によって違う理由と同じ理屈です。

スマホでは強調スニペットが画面の大部分を占めることがあり、PCで見るより影響が大きく感じられます。両方で確認しておきましょう。

見つけたら「引用元・抜き出された文・検索語・日付」を記録する

スクリーンショットだけでなく、引用元のURL抜き出された文章の全文をテキストで残します。あとで引用元サイトに連絡するときも、社内で共有するときも、この4点があれば話が早く進みます。

不利な強調スニペットが出る3つのパターン

抜き出されている内容によって、打つべき手が変わります。実際によくあるのは次の3つです。

パターン1:古い情報がそのまま抜かれている

たとえば数年前に「株式会社〇〇工業は〇〇のみ対応」と書かれた第三者の記事があり、その後サービス範囲が広がっているのに、古い記述のほうが抜き出され続けているケースです。悪意のある書き込みではないため感情的にはこじれにくく、更新された正しい情報を自社が発信すれば置き換えを狙いやすいタイプです。

パターン2:比較記事の一文だけが切り取られている

「〇〇社と△△社を比較すると、〇〇社は価格面で劣る」といった比較記事の一文が抜かれるパターン。記事全体では公平に書かれていても、抜き出されるのは一文だけです。この場合は、同じ質問に対して自社がより直接的で分かりやすい答えを書いたページを用意するのが基本の対応になります。

パターン3:誤解を招く要約になっている

事実関係そのものが違っている、あるいは前後の文脈が抜けて意味が反転しているケースです。ここだけは、後述するGoogleへのフィードバックと引用元への連絡の両方を検討する価値があります。

対処の基本は「消す」ではなく「置き換える」

多くの方がまず考えるのは「この表示を消せないか」です。ただ、強調スニペットには「この枠を非表示にしてください」と申請するための一般向けの窓口が用意されていません。できることは、次の3つの組み合わせになります。

1. 検索結果のフィードバックから報告する

強調スニペットの枠内、または枠のすぐ下に「フィードバック」というリンクが表示されます。ここから、抜き出しが不正確である・有害であるといった理由を選んで報告できます。無料でできるので、パターン3に当てはまるなら出しておいて損はありません。

ただし、報告すれば必ず表示が変わるというものではなく、いつどう反映されるかも公表されていません。これは「出しておく手」であって「これで解決する手」ではないと考えて、次の2つを並行して進めてください。

2. 引用元サイトの運営者に連絡する

事実と違う記述が含まれているなら、引用元の運営者に訂正を依頼する道があります。連絡するときは、感情的な抗議ではなく「どの記述が、どの事実と違うか」を資料つきで淡々と伝えるほうが通りやすくなります。社内の連絡ルールを先に決めておくと担当者が迷いません(→会社への誹謗中傷の対応|社内でまず決めておくべき5つのルール)。

なお、明らかに名誉を毀損する内容が含まれる場合や、運営者に連絡がつかない場合は、法的な手続きを検討する段階に入ります。その線引きはサジェストの削除は弁護士に相談すべき?依頼を検討する4つのケースの考え方が参考になります。自社での対応が難しいと感じたときは、成果報酬型のプランを設けているサジェスト汚染対策サービスのような相談先に、状況を整理してもらうという選択肢もあります。

3. 引用元を自社ページに置き換えにいく(本命)

いちばん現実的で、しかも副次的な効果が大きいのがこれです。Googleは「その質問に最も端的に答えているページ」を選ぶ傾向があるため、自社が同じ質問に正面から答えるページを持てば、引用元として選ばれる可能性が出てきます。

ここは、ネガティブな記事の順位を下げようとする発想(いわゆる逆SEO)とは別の考え方です。順位を動かす話ではなく、抜き書きの供給元を自社にするという話だからです。順位そのものの扱いについてはネガティブな記事の順位を下げるには?逆SEOの効果と、その前にやるべきことを読んでおくと、どこまでが現実的かの感覚が持てます。

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自社ページを引用元にするための書き方

強調スニペットに選ばれるページには、共通する型があります。難しいテクニックではなく、読みやすい文章の書き方そのものです。

質問形の見出しの直後に、40〜60字で答えを書く

「〇〇株式会社の対応エリアは?」という見出しを立て、その直後の1文で結論を言い切る。これが最も効く形です。前置きや背景説明を挟まず、見出しの真下に答えを置きます。抜き出される長さはおおむね2〜3行なので、その中で意味が完結している必要があります。

悪い例は「弊社は創業以来、地域の皆さまに支えられ……」と始まる書き出しです。ここが抜き出されても、検索した人の疑問には何も答えていません。

箇条書きと表は、そのままの形で抜き出されやすい

手順を説明するなら番号つきリスト、料金や条件を示すなら表を使います。リストや表は視覚的に目立つ形で表示されるため、文章より枠を占める面積が大きく、目に留まりやすいという利点もあります。

会社概要・FAQページを「答えの置き場」として整える

会社名で検索されたときに拾われる情報の多くは、会社概要ページとFAQページに置けます。所在地・設立年・事業内容・代表者・問い合わせ先といった基本情報が整っているだけでも、検索エンジンが自社サイトを情報源として扱いやすくなります。この整備は信頼性そのものにも効くので、会社概要・運営者情報の充実が信頼につながる理由|風評リスクを下げる書き方とあわせて進めるのが効率的です。

前提として、自社名で検索したときに自社サイトが上位に出ていることも必要です。ここが崩れている場合は先にそちらを直します(→社名で検索して自社サイトが1位に出ないときの対処)。

枠ごとに打ち手を割り振ると、対策が重複しない

ここまでの内容を、検索結果の枠ごとに整理しておきます。同じ「会社名の検索結果を整える」でも、枠によって有効な手が違います。

  • 強調スニペット…自社で答えを書いて引用元を置き換える/フィードバック報告
  • PAA(他の人はこちらも質問)…想定される質問に自社ページで先回りして答える
  • サジェスト・虫眼鏡…検索される語そのものが対象。監視と、必要に応じた削除申請
  • 通常の検索結果(10本のリンク)…自社発信を増やし、公式情報を上位に置く

この割り振りをひとつの計画としてまとめる方法はブランドを検索で守る方法|指名検索の見え方を整える3つの手順で扱っています。また、抜き出された文章はAIによる回答の材料としても参照されうるため、AI検索で会社の評判はどう扱われる?の観点もあわせて確認しておくと安心です。

一度直しても終わりではない|継続的に見る

強調スニペットは、Googleがそのつど選び直しています。今日は自社ページが引用されていても、来週には別のサイトに戻っていることがあります。逆に、いま不利な抜き出しが出ていても、自然に入れ替わることもあります。

そのため、月に1回程度、決めた検索語をまとめて見直す運用にしておくのが現実的です。担当者が手作業で確認する場合の手順は会社のエゴサーチのやり方|自社の評判チェックを仕組み化する7ステップが使えます。

なお、強調スニペットの中身は目で見て判断する必要がありますが、その手前にあるサジェスト(検索候補)は自動での監視に向いています。AccessSuggestはGoogle・Bing・Yahoo!の検索候補を毎日自動でチェックし、新しい語が出たときに通知します。手作業の確認は強調スニペットのような目視が要る部分に集中させ、候補の変化は自動に任せる、という分担にすると負担が減ります。

よくある質問

強調スニペットを非表示にする申請窓口はありますか?

一般利用者向けに「この強調スニペットを消してください」と申請する専用フォームは用意されていません。できるのは、枠の近くにあるフィードバックリンクから不正確・有害である旨を報告することと、引用元サイトの運営者に直接連絡することです。表示そのものを止める確実な方法はないため、自社ページを引用元にしにいく対応と並行して進めてください。

自社サイトが強調スニペットに出ると、クリック数は減りませんか?

答えが枠内で完結してしまうと、クリックされずに終わることはあります。一方で、会社名の検索で不利な情報が抜き出されている状況と比べれば、自社の正しい説明が最上部に出ているほうが得られるものは大きいはずです。クリック数だけで判断せず、「検索した人が最初に読む数行を誰が書いているか」で考えてください。

小さな会社でも引用元に選ばれることはありますか?

あります。強調スニペットは必ずしも検索順位1位のページから抜かれるわけではなく、質問に端的に答えているページが選ばれる傾向があります。自社のことを最も正確に書けるのは自社なので、会社名や自社サービス名を含む質問については、規模に関係なく十分に狙える領域です。

まとめ

強調スニペットは、検索結果の最上部に他サイトの本文が引用される枠です。会社名で検索されたときにここへ不利な一文が抜かれると、ページを開く前の段階で印象が決まってしまいます。

  • 専用の削除窓口はない。「消す」より「引用元を自社に置き換える」のが現実的
  • まず、会社名+質問形の検索語で現状を確認し、引用元・抜き出し文・日付を記録する
  • 内容が不正確ならフィードバック報告と引用元への連絡を検討する
  • 本命は、質問形の見出し+直後に40〜60字の答えを置いた自社ページを用意すること
  • 月1回の見直しを運用に組み込み、検索候補の変化は自動監視に任せる

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の事案については弁護士にご相談ください。

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この記事を書いた人

三田 健司のアバター 三田 健司 株式会社アクセス・リンク 代表取締役 / 認定SEOコンサルタント

(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント。株式会社アクセス・リンク代表。10年以上にわたりSEOコンサルティングとホームページ制作に携わり、40業種・100サイト以上の改善に立ち会ってきました。

この仕事をしていると「検索結果に何が出ているか」で問い合わせの数がはっきり変わる場面に何度も出会います。なかでもサジェスト(検索候補)は、本人がいちばん見ていない場所です。取引先や求職者から指摘されて初めて気づく、という相談が実際に少なくありません。

指摘される前に自分で気づける仕組みがほしい。そこから AccessSuggest を作りました。このブログでは、サジェスト汚染や風評被害について「まず自分でできること」を、専門用語を避けて書いていきます。

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