関連キーワード取得ツールは、主要なものはいまでも無料で使えます。ブラウザで自社名を入力するだけで、検索エンジンが候補として持っている言葉を一覧で書き出してくれるため、「自社名の隣にどんな言葉が並んでいるか」を数分で把握できます。
この記事では、無料の関連キーワードツールで何がわかるのか、実際の操作手順、そして取得した一覧を「風評チェック」として使うときの見方と記録の残し方までをまとめます。ITに詳しくない方でも、今日のうちに一巡できる内容です。
関連キーワード取得ツールとは?サジェストとの違い
関連キーワード取得ツールとは、検索エンジンが持っている「その言葉と一緒によく検索される言葉」を、まとめて一覧で取り出してくれるツールのことです。1つずつ検索窓に打ち込んで目視するかわりに、機械的に何十件・何百件と集めてくれます。
関連キーワードとサジェストは、厳密には別のもの
サジェストとは、検索窓に文字を打ち込んだ瞬間に下に出てくる検索候補のことです。一方関連キーワードは、検索結果ページの下部に出る「他の人はこちらも検索」のような、周辺の検索語まで含む広い概念です。
ただし実務上は、多くの無料ツールが「サジェストを大量に取得して一覧化したもの」を関連キーワードとして表示します。つまり関連キーワードツールを使えば、サジェストの棚卸しがまとめてできると考えて差し支えありません。サジェストそのものの仕組みは別記事で詳しく扱っています。
サジェストの決まり方と仕組み|Googleの検索候補が表示される4つの要因
なぜ風評チェックに使えるのか
取引先や求職者があなたの会社を調べるとき、多くの人は社名を検索窓に入れます。その瞬間に「社名 + ネガティブな言葉」が候補として並べば、本文を読む前に印象が決まってしまいます。関連キーワードツールで一覧を取れば、その「並び」を自分の目で確認できるわけです。
無料で使える関連キーワード取得ツールの種類
無料で使える手段は、大きく3つに分かれます。どれも会員登録なし、またはメールアドレスだけで始められるものがあります。
1. ブラウザだけで完結する方法
ツールを使わず、検索窓に「社名」と入れて出てくる候補を目視する方法です。費用ゼロで、いま実際に利用者へ見えているものをそのまま確認できるのが最大の利点です。ただし件数が10件前後に限られ、五十音を1文字ずつ足して総当たりするのは骨が折れます。
2. 無料の関連キーワード取得ツール
ブラウザで開いて社名を入力し、ボタンを押すと候補が一覧で出てくるタイプです。「社名 + あ」「社名 + い」…といった総当たりを自動でやってくれるため、目視では見落とす候補まで拾えます。多くはCSV形式(表計算ソフトで開ける保存形式)での書き出しにも対応しています。
3. 無料ツールでできること・できないこと
できるのは「いまの一覧を取ること」です。できないのは、前回との差分を教えてくれることと放っておいても定期的に見てくれることです。無料ツールは基本的に、人が思い出して開かないと何も起きません。ここが後述する落とし穴につながります。
無料ツールの基本的な使い方(5ステップ)
ここでは架空の「山田工業株式会社」を例に、実際の流れを追います。所要時間はおよそ15分です。
ステップ1〜2:入力する言葉を決めて取得する
まず入力する言葉を決めます。「山田工業株式会社」のような正式名称だけでなく、実際に検索されそうな短い形も必ず入れてください。「山田工業」「山田工業 求人」「山田工業 評判」の3パターンは最低限です。屋号・ブランド名・代表者名が公開されている場合はそれも加えます。
次に、関連キーワード取得ツールの入力欄にその言葉を貼り付け、取得ボタンを押します。数十秒で一覧が表示されます。
ステップ3〜4:一覧を保存し、目で分類する
表示された一覧はその場でコピーするか、CSVで書き出して保存します。ここで「取得した日付」を必ず一緒に残すのがコツです。日付がないと、後で見返したときに変化を追えません。
保存したら、一覧を上から見て3つに分けます。
① 事業に関係する普通の候補(「山田工業 所在地」など)
② 判断に影響しうる評価系の候補(「山田工業 評判」「山田工業 口コミ」など)
③ 明らかにネガティブ・事実と異なる候補
ステップ5:③があった候補は実際に検索してみる
③に振り分けた候補は、必ずその言葉で実際に検索し、1ページ目に何が出るかまで確認します。候補が出ていても検索結果に何もない場合と、具体的な書き込みが上位にある場合では、対応の緊急度がまったく違います。
風評チェックへの応用①:見るべき候補の見分け方
一覧を取ると数十件出てくるため、全部を気にすると疲れてしまいます。優先順位をつけましょう。
優先して対応を考えたいパターン
取引や採用の判断を直接そらす言葉は優先度が高いです。具体的には、経営の健全性を疑わせる言葉、法令違反を連想させる言葉、労働環境への不安をあおる言葉、そして事実として誤っている情報を含む候補です。とくに「社名+単語」で完結する短い候補は目に入りやすく、影響が出やすい傾向があります。
過度に気にしなくてよいパターン
「評判」「口コミ」「年収」といった候補は、ネガティブな意図がなくてもどの会社でもほぼ出ます。検索する人が知りたい情報を調べているだけなので、候補そのものを問題視する必要はありません。むしろ、その言葉で検索したときに自社発の正確な情報が出るように整えるほうが建設的です。
風評チェックへの応用②:記録の残し方
風評チェックの価値は、1回の取得ではなく比較から生まれます。先月なかった候補が今月出てきた——この気づきが早期対応につながります。
スプレッドシートの列の作り方
表計算ソフトで、次の6列を作れば十分です。
「取得日」「検索エンジン」「入力した言葉」「出てきた候補」「分類(①②③)」「メモ」
取得するたびに行を追加していく形にしてください。上書きしてしまうと差分が消えます。行が増えれば、いつ何が現れて、いつ消えたのかが自然に残ります。
頻度とスクリーンショット
手動運用なら月1回を基本に、採用の募集期間中や新商品の発表直後など注目が集まる時期は隔週に上げると安心です。③に分類した候補は、一覧のテキストだけでなく画面のスクリーンショットも日付つきで保存しておきましょう。後から誰かに相談するとき、口頭の説明より画像が1枚あるほうが話が早く進みます。
無料ツールだけで運用するときの3つの落とし穴
無料の関連キーワードツールは優秀ですが、風評監視の道具として使うと必ず同じところでつまずきます。先に知っておけば回避できます。
落とし穴1:取得するタイミングで結果が変わる
検索候補は日々更新され、地域や検索履歴によっても見え方が変わります。そのため「昨日は出たのに今日は出ない」は普通に起こります。1回の結果で判断せず、複数回の記録で傾向を見るのが正しい使い方です。
サジェストの見え方が人によって違う理由|同じ検索なのに候補が変わる仕組み
落とし穴2:1つの検索エンジンしか見ていない
無料ツールの多くはGoogleの候補を中心に取得します。しかしBingやYahoo! JAPANは別の仕組みで候補を作っており、Googleでは出ない候補がそちらだけに残っていることがあります。自社の顧客層がどの検索エンジンを使うかを考え、少なくとも3社ぶんは目を通しておきたいところです。
Google・Bing・Yahoo!のサジェストの違い|3つの検索エンジンを比較
落とし穴3:続かない
これが最大の壁です。最初の月は丁寧にやっても、繁忙期に1回飛ばすとそのまま止まります。風評は気づくのが遅れるほど対応が難しくなる性質があるため、「思い出したらやる」運用は実質的に機能しません。担当者と実施日をカレンダーに固定するか、仕組みで自動化するかの二択になります。
無料ツールの次の一手:自動化を考える基準
手動を続けるか自動化するかは、費用ではなく「遅れて気づいたときの損失」で判断するとぶれません。
手動のままでよいケース
検索される社名が1つだけで、これまでネガティブな候補が出たことがなく、採用も継続的に行っていない——この条件がそろうなら、月1回の手動チェックで十分です。まずは無料ツールで習慣づけましょう。
自動化を検討したいケース
一方、監視すべき言葉が5つ以上ある、過去に一度ネガティブな候補が出た、採用を通年で行っている、店舗が複数ある——こうした場合は手動の負荷が急に重くなります。
私たちが提供しているAccessSuggestは、まさにこの「毎回の取得と前回比較」を自動で回すためのツールです。登録した言葉についてGoogle・Bing・Yahoo!の候補を毎日取得し、新しい候補が現れたときだけメールで知らせます。無料プランがあるので、まずは自社名1つを登録して、手動チェックと結果を見比べてみるのがおすすめです。
なお、自分で手動確認する具体的な手順は次の記事にまとめています。無料ツールと併用すると精度が上がります。
サジェストの調べ方|自社名の検索候補を自分で調べる3エンジン手順
よくある質問
関連キーワード取得ツールは本当に無料で使えますか?
主要なツールは無料で利用できます。ただし1日あたりの取得回数に上限があったり、CSV書き出しや履歴保存が有料機能になっているものがあります。まずは無料の範囲で試し、上限に当たって不便を感じた時点で有料版や監視ツールを検討すれば十分です。
関連キーワードツールに出た候補は、ツールを使えば消せますか?
いいえ。関連キーワード取得ツールは「見る」ための道具で、候補を変えたり消したりする機能はありません。検索候補は各検索エンジンが自動で生成しているため、対応するには検索エンジンへの申し立てや、自社発の正確な情報を増やす取り組みなど、別のアプローチが必要になります。
取得した一覧に見覚えのない言葉があります。すぐ対応すべきですか?
まずその言葉で実際に検索し、検索結果の1ページ目に何が出るかを確認してください。具体的な書き込みや記事が上位にあり、内容が事実と異なる場合は優先度が高くなります。逆に候補だけで実体がない場合は、記録を残して経過を見る判断もあり得ます。いずれの場合も、日付つきのスクリーンショットを残しておくと後の相談がスムーズです。
まとめ
関連キーワード取得ツールは無料で使え、社名を入力するだけで検索候補の一覧が手に入ります。風評チェックとして使うなら、①正式名称だけでなく短い形も入力する ②取得日つきで表に残す ③ネガティブな候補は実際に検索して実体を確認する、この3点を押さえてください。
そして無料ツールの弱点は「差分を教えてくれない」「続かない」ことです。まずは今日、無料ツールで一覧を1回取ってみる。そのうえで負荷が重いと感じたら自動化を考える——この順番で進めれば、余計な費用をかけずに自社の見え方を把握できます。
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