Google・Bing・Yahoo!のサジェストの違い|3つの検索エンジンを比較

「Googleでは変な候補が出ないのに、Yahoo!で自社名を入れたら出てきた」。これは珍しい話ではありません。Google・Bing・Yahoo! JAPANのサジェスト(検索窓に文字を入れたときに出る検索候補)は、それぞれ別の仕組みで別々に作られているため、同じ会社名でも出てくる候補は一致しないのが普通です。

この記事では、3つの検索エンジンのサジェストが何がどう違うのか、なぜ3社ぜんぶ見ないといけないのか、そして自分で比較する具体的な手順を、専門知識なしで追える形にまとめました。

目次

結論:3社のサジェストは「別物」。最初に押さえる3つのこと

細かい話に入る前に、企業として知っておくべき結論を先に3つ挙げます。ここだけ理解しておけば、あとは実務の話です。

① 検索結果が同じでも、サジェストは同じとは限らない

Yahoo! JAPANの検索結果はGoogleの検索技術を利用していることが公表されています。そのため「Yahoo!=Googleと同じ」と思われがちですが、それは検索結果(10本のリンクが並ぶあの画面)の話であって、検索窓に文字を打ったときに出る候補まで同じという意味ではありません。実際に両方で同じ社名を打ってみると、候補の並びも中身も違うことがすぐ分かります。

② 候補のもとになっているデータが違う

サジェストは、各社が自分のサービス内で集めた検索の動きをもとに作られます。GoogleにはGoogleの利用者データ、BingにはMicrosoftの利用者データ、Yahoo! JAPANにはYahoo!の利用者データがあります。利用者の層も、検索の量も、地域の偏りも違うので、出てくる候補が違うのはむしろ当たり前です。

③ 対処するときの窓口も別々

もし自社名の隣に事実と違う言葉が出てしまった場合、その申し立て先は各社それぞれです。Googleに出したフォームがBingやYahoo!に届くことはありません。「どのエンジンで出ているか」を正確に把握していないと、対処のしようがないということです。

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Googleのサジェスト(オートコンプリート)の特徴

Googleは自社の検索候補機能を「オートコンプリート」と呼んでいます。3社の中でもっとも利用者が多く、企業が最初に確認すべきエンジンです。

入力の途中から候補が出る

社名を最後まで打たなくても、途中の文字列から候補が出てきます。また、社名のうしろにスペースを入れると、そこから続く言葉の候補(いわゆる「二語目」)が並びます。企業にとって問題になりやすいのは、この二語目に出るネガティブな言葉です。

候補が出るには「ある程度の検索量」が必要

Googleのオートコンプリートは、実際に多くの人が検索している組み合わせを候補にする仕組みです。裏を返すと、誰も検索していない言葉は候補になりません。逆に、掲示板やSNSで話題になって一時的に検索が集中すると、それが候補として立ち上がることがあります。

公式のポリシーと削除の窓口がある

Googleはオートコンプリートに関するポリシーを公開しており、それに反する候補(暴力的な内容、危険な内容、一部の個人情報など)については報告の手段を用意しています。詳しい申し立ての流れは別記事で扱いますが、まず知っておくべきは「窓口は存在する。ただし何でも通るわけではない」という点です。

Bingのサジェストの特徴

BingはMicrosoftの検索エンジンです。日本での利用者数はGoogleに比べれば多くありませんが、無視できない理由があります。

Windowsの標準ブラウザから使われている

WindowsパソコンのMicrosoft Edgeは、初期設定のままだと検索にBingを使います。会社支給のパソコンをそのまま使っている人ほど、気づかずBingで検索しているということです。取引先の担当者があなたの会社名を調べるとき、Bingで見ている可能性は現実にあります。

検索量が少ない分、候補が動きやすい面がある

母数が小さいということは、少ない検索でも候補に影響しうるということです。そのため「Googleにはまだ出ていないのにBingには出ている」という順番になることがあります。逆に、Googleで落ち着いたあともBingに残り続けることもあります。

AI検索との地続き

BingはMicrosoftのAIによる回答機能とつながっています。検索候補そのものとは別の機能ですが、「Microsoftの検索面で自社がどう見えているか」という観点で、Bingを一度も見ていない状態は望ましくありません。

Yahoo! JAPANのサジェストの特徴

日本国内では、Yahoo! JAPANは今も一定のシェアを持っています。特に年齢層の高い利用者や、Yahoo!をホーム画面にしたまま使っている人には根強く使われています。

検索結果はGoogle由来、候補はYahoo!独自

先ほど触れたとおり、Yahoo! JAPANの検索結果はGoogleの検索技術を利用しています。一方で、検索窓に出る候補(Yahoo!では「検索キーワード入力補助」などと案内されます)はYahoo! JAPAN側の機能です。結果は同じでも候補は違う——ここが一番誤解されやすいところです。

「関連検索ワード」とは別物

Yahoo!の検索結果ページの下部や上部に出る「関連検索ワード」は、検索したあとに表示されるものです。検索窓に打っている途中で出るサジェストとは表示される場所もタイミングも違います。チェックするときは両方を別々に見る必要があります。これはGoogleの「他のキーワード」欄でも同じです。

スマホアプリとブラウザで見え方が違うことがある

Yahoo! JAPANアプリの検索窓と、ブラウザでyahoo.co.jpを開いたときの検索窓では、候補の出方が違う場合があります。確認するときはブラウザ版を基準にすると、記録が揃って比較しやすくなります。

Google・Bing・Yahoo!のサジェストの違いを一覧で比較

ここまでの内容を、企業が気にする観点だけに絞って並べ直します。

観点GoogleBingYahoo! JAPAN
機能の呼び方オートコンプリート検索候補検索キーワード入力補助
候補の作り手Google独自Microsoft独自Yahoo! JAPAN独自
検索結果の技術GoogleMicrosoftGoogleの技術を利用
主な入口Chrome・AndroidなどMicrosoft Edge(Windows標準)Yahoo!トップ・アプリ
母数の大きさ大きい小さめ中くらい
候補の動きやすさ動きにくい傾向動きやすい傾向中間
申し立て窓口Google独自の窓口Microsoft独自の窓口Yahoo! JAPAN独自の窓口
企業が見るべき度合い必須見落とされがち国内では必須

母数の大きさや動きやすさは各社が数値を公表しているものではなく、実務上そう見えることが多いという傾向の話です。断定できる性質のものではないので、「だいたいの目安」として読んでください

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なぜ3エンジンとも見なければいけないのか

「Googleだけ見ておけば十分では」と思われることが多いのですが、実務では3つとも見ておかないと判断を誤ります。理由は3つあります。

理由1:見ている人が違う

たとえば架空の「〇〇工業株式会社」に、若い求職者・年配の取引先担当者・会社支給PCで調べる購買担当者の3者が興味を持ったとします。この3人が同じ検索エンジンを使っている保証はどこにもありません。あなたが見ていない画面で、誰かが判断している可能性は常にあります。

理由2:出るタイミングがずれる

あるエンジンで先に候補が立ち上がり、遅れて別のエンジンにも出る、という順番になることがあります。1社しか見ていないと、この「先に出た兆候」を丸ごと見逃します。

理由3:消えるタイミングもずれる

片方で候補が消えても、もう片方には残っていることがあります。「対応が終わった」と思い込んだまま、別のエンジンには出続けている——という状態が一番まずいパターンです。

3エンジンを自分で比較する手順

ここからは実際の手順です。特別なツールがなくてもできます。まずは自分の手で1回やってみることをおすすめします。

準備:シークレットウィンドウを開く

シークレットウィンドウ(プライベートウィンドウ)とは、自分の検索履歴やログイン情報を使わずにブラウザを開くモードのことです。ChromeやEdgeなら Ctrl+Shift+N、Firefoxなら Ctrl+Shift+P で開けます。

自分のアカウントでログインしたまま調べると、自分の過去の検索が候補に混ざり、「自分にだけ見えている候補」と「みんなに見えている候補」の区別がつかなくなります。必ずシークレットウィンドウで確認してください。

手順:3エンジンを同じ条件でまわす

  1. シークレットウィンドウを開く。
  2. google.co.jp を開き、検索窓に「自社名」を入力する(Enterは押さない)。出てきた候補を上から順にメモする。
  3. 同じ窓で「自社名+半角スペース」まで入力し、二語目の候補もメモする。
  4. 同じシークレットウィンドウで bing.com を開き、2〜3を繰り返す。
  5. 同じく yahoo.co.jp を開き、2〜3を繰り返す。
  6. 最後に、それぞれの検索結果ページ下部の「関連検索ワード」「他のキーワード」も見て、別枠でメモする。

社名の表記ゆれ(株式会社あり/なし、ひらがな表記、英語表記、略称)でも候補は変わります。実際に人が打ちそうな形をすべて試すのがポイントです。

記録:日付と画面の記録を残す

メモは、日付・エンジン名・入力した語・出てきた候補(順番も)の4点をそろえて残します。表計算ソフトで1行1件にしておくと後で比較しやすくなります。あわせてスクリーンショットも保存してください。候補は消えることがあるので、あとから「あのとき確かに出ていた」を示せる記録は貴重です。

手動チェックの限界と、続けるための仕組み

ここまでの手順は、1回やるだけなら15分ほどで終わります。問題は「続ける」ことです。

サジェストは、見ていない日に変わる

候補が変わるのは、こちらの都合とは無関係です。月に1回しか見ていなければ、最悪の場合ひと月近く気づけません。気づくのが遅れるほど、目にした人の数は増えていきます

3エンジン×表記ゆれ=手数がすぐ増える

社名の表記が3パターン、エンジンが3つ、それぞれ一語目と二語目を見るとなると、1回のチェックで18通りです。これを毎日、あるいは毎週手作業でやるのは現実的ではありません。

自動でまわす、という選択肢

私たちが提供している AccessSuggest は、この「3エンジン×複数キーワードを毎日見る」という作業を自動で行うツールです。候補に変化があったときだけメールで知らせるので、普段は何もしなくて構いません。無料プランから試せます。

もちろん、まずは手動で1周してみて、自社にとってどれくらいの頻度が必要かを見極めてからで十分です。

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よくある質問

Q. Yahoo!はGoogleの検索結果を使っているのに、なぜ候補まで同じにならないのですか?

A. 検索結果を出す技術と、検索窓に候補を出す機能は別のものだからです。Yahoo! JAPANの検索候補はYahoo! JAPAN側の機能で、Yahoo!の利用者の検索の動きをもとに作られます。利用者層が違えば、出てくる候補も違ってきます。

Q. 3つのうち、どれを優先して見るべきですか?

A. 国内向けの事業であれば、まずGoogle、次にYahoo! JAPAN、そしてBingという順番が現実的です。ただし取引先や社員がWindowsのEdgeを標準で使っている業種では、Bingの優先度は上がります。自社の関係者が何で検索しているかで決めるのが正解です。

Q. あるエンジンで候補が消えたら、他でも消えますか?

A. 連動しません。各社が独立して候補を作っているため、片方で消えても他方に残ることがあります。対応をした場合は、必ず3エンジンすべてを確認してください。

まとめ

  • Google・Bing・Yahoo! JAPANのサジェストは、それぞれ別の仕組みで別々に作られている
  • Yahoo!の検索結果はGoogleの技術を使っているが、検索候補はYahoo!独自。同じにはならない。
  • BingはWindowsのEdgeが初期設定で使うため、取引先や社内から見られている可能性がある
  • 候補が出るタイミングも消えるタイミングも3社でずれるので、1社だけ見ていると判断を誤る
  • 確認は必ずシークレットウィンドウで。日付・エンジン・入力語・候補の4点とスクリーンショットを残す。
  • 表記ゆれまで含めると手数がすぐ増えるため、続けるなら仕組み化を検討する。

まずは今日、シークレットウィンドウを開いて3エンジンで自社名を打ってみてください。「思っていたのと違う」が見つかるかどうかが、最初の分かれ道です。

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の事案については弁護士にご相談ください。

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この記事を書いた人

三田 健司のアバター 三田 健司 株式会社アクセス・リンク 代表取締役 / 認定SEOコンサルタント

(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント。株式会社アクセス・リンク代表。10年以上にわたりSEOコンサルティングとホームページ制作に携わり、40業種・100サイト以上の改善に立ち会ってきました。

この仕事をしていると「検索結果に何が出ているか」で問い合わせの数がはっきり変わる場面に何度も出会います。なかでもサジェスト(検索候補)は、本人がいちばん見ていない場所です。取引先や求職者から指摘されて初めて気づく、という相談が実際に少なくありません。

指摘される前に自分で気づける仕組みがほしい。そこから AccessSuggest を作りました。このブログでは、サジェスト汚染や風評被害について「まず自分でできること」を、専門用語を避けて書いていきます。

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