風評監視のキーワードの選び方|登録すべき7分類と優先順位のつけ方

風評監視で登録すべきキーワードは、「社名だけ」では足りません。実際に問題が起きるのは、社名の表記ゆれ・ブランド名・代表者名・「社名+不安ワード」といった、検索する人が実際に打ち込む形の言葉です。

この記事では、中小企業が自社の評判を監視するときに登録すべきキーワードを7つの分類に整理し、優先順位のつけ方と、増やしすぎないための線引きまでまとめます。監視の仕組みそのものについてはサジェストの監視方法|手動・スプレッドシート・ツールの3通りを比較もあわせてご覧ください。

目次

なぜ「社名だけ」の監視では取りこぼすのか

風評監視とは、自社に関する検索候補や書き込みが悪い方向に変化していないかを定期的に確認する作業のことです。多くの会社は、まず自社の正式名称を1つ登録して終わりにします。ところが実際の検索は、そのとおりには行われません。

検索する人は「正式名称」で打たない

取引先の担当者も、求職者も、お客様も、多くは略称やカタカナ表記で検索します。「株式会社」を付けずに打つ人、スペースを入れる人、ひらがなで打つ人。検索エンジンの候補は入力された文字列ごとに別々に生成されるため、正式名称では何も出なくても、略称では不穏な候補が出ているということが普通に起こります。

問題は「社名の右側」に出る

サジェスト汚染(検索候補に評判を落とす言葉が並ぶ状態)で困るのは、たいてい社名そのものではなく、社名に続けて表示される言葉です。この構造はサジェスト汚染とは?会社名の隣に出る「変な言葉」の正体で詳しく説明していますが、監視のキーワード設計もこの前提に立って組む必要があります。

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登録すべきキーワードの7分類

優先度の高い順に並べています。まずは上から3つを埋めるところから始めてください。

①社名・屋号(正式名称+表記ゆれ)

正式名称に加えて、「株式会社」を外した形、カタカナ・ひらがな・アルファベット表記、スペースの有無を登録します。架空の例として「株式会社サンプル工業」なら、「サンプル工業」「サンプル 工業」「サンプルこうぎょう」「Sample工業」あたりが候補です。

②ブランド名・サービス名・店舗名

会社名は知らなくても商品名は知っている、という人は多くいます。店舗を複数持っている場合は「ブランド名+地名」も別枠で登録します。

③代表者名・役員名

経営者個人の名前で検索されるケースは想像より多く、しかも本人が最後まで気づきにくい領域です。同姓同名が多い名前なら「氏名+社名」の組み合わせも足しておきます。

④社名+不安ワード

検索した人が不安を感じるきっかけになる言葉との組み合わせです。代表的なのは「評判」「口コミ」「ブラック」「やばい」「離職率」「求人」「クレーム」など。ここは監視対象として登録しつつ、自社サイト側で先に答えを用意しておくことが効きます(会社概要・運営者情報の充実が信頼につながる理由を参照)。

⑤採用まわりのキーワード

「社名+転職」「社名+年収」「社名+面接」など。採用への影響が疑われる場合は採用の応募が減った原因はネットにある?検索結果が応募数を左右する仕組みで挙げた指標とあわせて確認すると、原因の切り分けがしやすくなります。

⑥業種+地域(指名検索されていない層の入口)

「地域名+業種」は、まだ自社を知らない見込み客が使う検索です。ここに競合や比較サイトがどう並んでいるかは、自社の評判が相対的にどう見えているかの目安になります。

⑦過去のトラブル・旧社名

社名変更前の旧社名、過去に報道された案件のキーワードは、時間が経っても検索候補に残ることがあります。一度消えた候補が再び出るケースについてはサジェストが消えたのにまた出た|再発する理由と、次に取るべき動き方にまとめています。

表記ゆれはどこまで登録するか

目安は「社名で5〜8パターン」

表記ゆれとは、同じ対象を指す異なる書き方のことです。理屈のうえでは無限に作れますが、実際に検索される形はそう多くありません。自社サイトのアクセス解析(Google Search Consoleの検索クエリなど)を見て、実際に流入がある表記を優先して登録するのが確実です。

全角スペースと半角スペースは別物

検索候補は入力文字列に完全一致で反応するため、「サンプル工業 評判」の空白が全角か半角かで結果が変わることがあります。主要な組み合わせだけは両方登録しておくと安心です。

優先順位のつけ方(3段階に分ける)

登録候補が出そろったら、次の3段階に振り分けます。すべてを毎日見る必要はありません。

  • A:毎日見る… 社名(主要表記2〜3個)、主力ブランド名、代表者名
  • B:週1回見る… 社名+不安ワード、採用系キーワード、店舗名
  • C:月1回見る… 業種+地域、旧社名、competitor(競合)名

この振り分けは「変化が起きたときの被害の大きさ×気づくのが遅れたときの取り返しにくさ」で決めます。代表者名がAに入るのは、被害が大きく、かつ本人が最後に知ることが多いからです。

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登録しすぎるとかえって続かない

件数より「毎回同じ条件で見る」ことが大事

キーワードを50個も100個も登録すると、確認が作業になり、いつの間にか止まります。風評監視は継続してこそ変化に気づけるものなので、最初は10〜20件程度に絞り、運用が回ってから増やすほうが結果的に長続きします。

見る条件を固定する

検索候補は端末・ログイン状態・地域によって違って見えます(理由はサジェストの見え方が人によって違う理由で解説しています)。監視するときは、シークレットウィンドウを使う・毎回同じ時間帯に見る、といった条件を決めて固定してください。条件がばらつくと、変化なのか誤差なのか判断できなくなります。

業種別のキーワード例(架空の会社で)

BtoBメーカー「サンプル工業株式会社」の場合

  • A:サンプル工業/サンプル工業 株式会社/代表者氏名
  • B:サンプル工業 評判/サンプル工業 求人/サンプル工業 離職率
  • C:地域名+金属加工/サンプル工業 旧社名

地域密着の店舗「サンプル歯科クリニック」の場合

  • A:サンプル歯科/サンプル歯科クリニック/院長氏名
  • B:サンプル歯科 口コミ/サンプル歯科 待ち時間/サンプル歯科 予約
  • C:地域名+歯医者/地域名+歯科 おすすめ

店舗業の場合、検索候補だけでなく口コミサイトの動きもセットで見ることになります。書き込みへの向き合い方は口コミサイトの悪い書き込みへの対応|放置と反論、どちらが正解かを参考にしてください。

登録したキーワードは半年に一度見直す

見直しのタイミング

新サービスを出したとき、社名や店舗名を変えたとき、採用を強化するとき、そして何か問題が起きた直後。この4つのタイミングでは必ずキーワードを棚卸しします。何も起きていなくても、半年に一度は一覧を眺めて、反応がゼロのままのキーワードをCへ落とすか外します。

記録を残す

「いつ・どのキーワードで・何が出ていたか」を残しておくと、後から交渉や相談をする際の材料になります。日付入りのスクリーンショットが最も扱いやすい形です。削除の申し立てを検討する場面では、この記録の有無が手間を大きく左右します(Googleサジェストの削除申請の手順を参照)。

手作業がつらくなったら、自動監視という選択肢

キーワードが20件を超えたあたりから、手動での確認は現実的に厳しくなります。3つの検索エンジン×20件を毎日目視すれば、それだけで毎日30分近くかかる計算です。

AccessSuggestは、登録したキーワードのGoogle・Bing・Yahoo!の検索候補を毎日自動で取得し、前日から変化があったときだけメールで知らせるツールです。無料プランがあるので、まずはAランクのキーワードだけ登録して、通知が届く感覚を確かめるところから始められます。自分で調べる手順を知っておきたい方はサジェストの調べ方|自社名の検索候補を自分で調べる3エンジン手順を先にご覧ください。

よくある質問

キーワードは何件くらいから始めればいいですか?

10件前後をおすすめします。社名の主要表記2〜3件、ブランド名1〜2件、代表者名1件、社名+不安ワード3〜4件が最初の型です。運用が回ってから20件、30件と広げてください。

競合他社の名前も監視していいですか?

公開されている検索候補を見るだけであれば問題ありません。ただし目的は「業界全体でどんな言葉が並びやすいか」を知るためであり、他社の評判を操作する目的での利用は避けてください。

ネガティブな候補が見つかったら、まず何をすればいいですか?

慌てて業者に連絡する前に、日付入りで記録を取り、その候補が本当に自社を指しているか(同名の別会社ではないか)を確認します。そのうえで、対処の選択肢を整理したサジェストの削除方法4つ|自分でできる対処と業者に頼む前の確認点をご覧ください。名誉毀損に当たりうる内容や、事実無根の記述が絡む場合はサジェストの削除は弁護士に相談すべき?も参考になります。

まとめ

風評監視のキーワードの選び方は、次の3点に集約されます。

  • 社名だけでなく、表記ゆれ・ブランド名・代表者名・社名+不安ワードまで広げる
  • 全部を毎日見ようとせず、A(毎日)/B(週1)/C(月1)の3段階に振り分ける
  • 最初は10〜20件に絞り、条件を固定して同じ見方を続ける

登録するキーワードが決まれば、あとは続けるだけです。手作業が負担になってきたら、自動化を検討してみてください。

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の事案については弁護士にご相談ください。

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この記事を書いた人

三田 健司のアバター 三田 健司 株式会社アクセス・リンク 代表取締役 / 認定SEOコンサルタント

(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント。株式会社アクセス・リンク代表。10年以上にわたりSEOコンサルティングとホームページ制作に携わり、40業種・100サイト以上の改善に立ち会ってきました。

この仕事をしていると「検索結果に何が出ているか」で問い合わせの数がはっきり変わる場面に何度も出会います。なかでもサジェスト(検索候補)は、本人がいちばん見ていない場所です。取引先や求職者から指摘されて初めて気づく、という相談が実際に少なくありません。

指摘される前に自分で気づける仕組みがほしい。そこから AccessSuggest を作りました。このブログでは、サジェスト汚染や風評被害について「まず自分でできること」を、専門用語を避けて書いていきます。

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