会社のエゴサーチのやり方|自社の評判チェックを仕組み化する7ステップ

会社のエゴサーチのやり方は、「自社名で検索して結果を見る」だけでは足りません。検索エンジン・サジェスト(検索候補)・SNS・口コミサイトの4か所を、決まった手順で、決まった頻度で見るところまでを一続きにして初めて意味を持ちます。

この記事では、中小企業が社内で回せる「会社のエゴサーチ」の具体的なやり方を、担当者の決め方から記録テンプレート、見つけたときの動き方まで順に説明します。特別なツールがなくても、今日から始められる手順です。

目次

会社のエゴサーチとは?個人のエゴサーチとの違い

エゴサーチとは、自分自身(や自社)の名前を検索して、どう書かれているか・どう見えているかを確認する行為のことです。もともとは個人がSNSで自分の名前を検索する意味で使われていましたが、会社が行う場合は目的も範囲も変わります。

個人は「言及の確認」、会社は「見え方の点検」

個人のエゴサーチは、自分について誰かが何か言っていないかを探す作業です。一方、会社のエゴサーチは、取引先・求職者・見込み客が自社を検索したときに、どんな画面が表示されるかを点検する作業です。書き込みそのものより、「検索した人が最初の10秒で受け取る印象」が対象になります。

実際、取引先や応募者が見ている場所は検索結果の1ページ目だけではありません。どこを見られているかは会社の評判はネットでどこまで調べられる?取引先が見ている5つの場所で整理しています。

「不安になったときだけ見る」が一番危ない

多くの会社では、何か気になることが起きたときだけ社名を検索します。しかしこのやり方では、変化に気づくのが遅れます。比較する基準(先月はどうだったか)が手元にないため、「これは前からあったのか、最近出たのか」が判断できないからです。

エゴサーチは、記録して初めて意味を持ちます。1回だけ完璧に調べるより、雑でもいいので毎月同じ手順で残すほうがはるかに役に立ちます。

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エゴサーチを始める前に決めておく3つのこと

やり方の前に、運用のルールを先に決めてしまうのがコツです。ここが曖昧なまま始めると、たいてい2〜3回で止まります。

1. 誰がやるか(担当と代理を1人ずつ)

総務・広報・採用担当など、月に30分ほど時間を取れる人を1人決めます。属人化を避けるため、代理も1人決めておきます。経営者本人がやると感情が入りやすく、また多忙で後回しになりやすいので、実務担当に任せて結果だけ共有する形が続きやすい構成です。

2. どのくらいの頻度でやるか

目安は次のとおりです。求人を出している期間や、大きな発表の前後は頻度を上げます。

  • 月1回:平常時。BtoBで顧客数が限られている会社
  • 週1回:一般消費者向けの店舗・サービス、採用を継続的に行っている会社
  • 臨時:クレーム対応の直後、報道された直後、新商品の発表直後

3. どのキーワードを見るか

社名だけでは足りません。「社名+評判」「社名+口コミ」「社名+ブラック」「代表者名」「主力商品名」など、実際に検索されそうな組み合わせを最初に洗い出しておきます。どう分類して優先順位をつけるかは風評監視のキーワードの選び方|登録すべき7分類と優先順位のつけ方にまとめています。

会社のエゴサーチのやり方【基本の7ステップ】

ここからが実際の手順です。上から順にやって、30分前後で終わる分量になっています。

  1. ブラウザのシークレットウィンドウ(履歴やログイン情報を使わない閲覧モード)を開く
  2. Googleで社名を検索し、1〜2ページ目のタイトルを記録する
  3. 検索窓に社名を入れて、出てくるサジェストを全部記録する
  4. Bing・Yahoo!でも同じことを繰り返す
  5. Xと各口コミサイトで社名を検索する
  6. Googleビジネスプロフィールの口コミを確認する
  7. 記録シートに日付とともに残し、前回との差分に印をつける

重要なのは7番です。ここを飛ばすと「見た」だけで終わり、翌月に比較できません。

検索エンジンでのエゴサーチのやり方

必ずシークレットウィンドウで見る

普段使っているブラウザでそのまま検索すると、自社サイトを何度も見ている影響で、自社に有利な結果が上に出やすくなります。Chromeなら「Ctrl+Shift+N」(Macは「⌘+Shift+N」)でシークレットウィンドウが開きます。

同じ検索なのに人によって見えるものが違う理由は、サジェストの見え方が人によって違う理由|同じ検索なのに候補が変わる仕組みで詳しく説明しています。

3つの検索エンジンを回す

Googleだけで済ませないでください。Bingは Windows の標準ブラウザから使われることが多く、社内PCからの検索やAIチャットの参照元にもなります。Yahoo! JAPANも一定の利用者がいます。3社で候補が違うことは珍しくありません。具体的な差についてはGoogle・Bing・Yahoo!のサジェストの違い|3つの検索エンジンを比較をご覧ください。

サジェストと関連キーワードもセットで見る

検索窓に社名を入れた瞬間に下に出る候補(サジェスト)と、検索結果ページの下部に出る「他の人はこちらも検索」は、どちらも記録対象です。社名の後ろに全角スペースを入れると候補が増えるので、「社名+スペース」「社名+あ」「社名+か」…と五十音で回すと網羅性が上がります。

手を動かす順番はサジェストの調べ方|自社名の検索候補を自分で調べる3エンジン手順のとおりに進めるのが早いです。まとめて拾いたいときは関連キーワード取得ツールは無料で使える?使い方と風評チェックへの応用も参考になります。

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SNS・口コミサイトのエゴサーチのやり方

Xは「社名」と「表記ゆれ」の両方で検索する

正式名称だけでなく、略称・ひらがな表記・カタカナ表記でも検索します。たとえば架空の「山田工業株式会社」なら、「山田工業」「ヤマダ工業」「やまだ工業」の3通りです。株式会社の位置(前株・後株)を省いた形も試してください。書き込む人は正式名称を使わないことのほうが多いためです。

Googleビジネスプロフィールの口コミを確認する

店舗や事務所を構えている場合、社名で検索すると右側(スマホでは上部)に会社情報のパネルが表示されます。ここに付いた口コミは、検索した人の目に最初に入る情報のひとつです。新しい口コミが付いていないか、星の平均が下がっていないかを毎回見ます。

口コミサイト・転職口コミサイトを巡回する

業種によって見るべきサイトは変わりますが、採用に力を入れているなら転職口コミサイトは外せません。ネガティブな書き込みを見つけたときに反論すべきか放置すべきかは、口コミサイトの悪い書き込みへの対応|放置と反論、どちらが正解かで判断基準を整理しています。応募数への影響が気になる場合は採用の応募が減った原因はネットにある?検索結果が応募数を左右する仕組みもあわせてどうぞ。

エゴサーチを仕組み化する|記録テンプレートと自動化

やり方が分かっても、続かなければ意味がありません。仕組み化とは「担当者が変わっても同じ手順で回る状態」を作ることです。

記録シートは5列で足りる

スプレッドシートに次の5列を用意します。凝ったものにすると更新が面倒になるので、これ以上増やさないのがコツです。

  • 日付:実施した日
  • 検索語:入力したキーワード
  • 媒体:Google/Bing/Yahoo!/X/口コミサイト名
  • 見つかった内容:サジェストの文字列、記事タイトル、書き込みの要約
  • 対応:様子見/社内共有/要相談 の3択

Googleアラートで取りこぼしを拾う

Googleアラートは、指定した語を含む新しいページが見つかったときにメールで知らせてくれる無料サービスです。社名と代表者名を登録しておけば、月1回の手動チェックの合間に出た新しい記事に気づけます。ただしサジェストの変化やSNSの書き込みは対象外なので、これだけに頼ることはできません。

手動と自動の切り替えどき

見るキーワードが10語を超えたあたりから、手動での3エンジン巡回は現実的な負担になります。1語あたり3エンジン、月4回なら120回の検索です。この規模になったら、サジェストの取得だけでも自動化を検討する段階です。手動・スプレッドシート・ツールのそれぞれの向き不向きはサジェストの監視方法|手動・スプレッドシート・ツールの3通りを比較で比較しています。

AccessSuggestは、登録したキーワードのサジェストをGoogle・Bing・Yahoo!で毎日自動取得し、新しい候補が出たときだけメールで知らせるツールです。エゴサーチのうち、いちばん手間がかかって、いちばん見落としやすい部分を肩代わりする位置づけとお考えください。SNSや口コミの確認は、引き続き人の目で行う必要があります。

見つけたときの動き方|3段階で切り分ける

エゴサーチで何か見つけても、すべてに対応する必要はありません。反応しすぎると社内が疲弊し、かえって本当に危ないものを見逃します。次の3段階で切り分けます。

レベル1:記録だけして様子見

個人の感想レベルの書き込み、検索結果の下位にある古い記事、一時的に出ただけのサジェストなど。ほとんどはここに入ります。記録して次回と比較する、それだけで十分です。

レベル2:社内共有して原因を確認

同じ趣旨の書き込みが複数出ている、サジェストにネガティブな語が定着した、といったケースです。まず社内で事実関係を確認します。実際にサービス上の問題が原因なら、検索結果をどうこうする前にそちらを直すのが先です。

レベル3:外部への相談を検討

事実無根の内容が広がっている、特定の個人が繰り返し投稿している、営業や採用に実害が出ている場合です。削除の申し立てを検討するならサジェストの削除方法4つ|自分でできる対処と業者に頼む前の確認点を、対応の社内ルールを決めるなら会社への誹謗中傷の対応|社内でまず決めておくべき5つのルールを先に読んでおくと、相談時の話が早くなります。

なお、削除や法的手続きの検討が必要なレベルになった場合、相談先の選択肢のひとつとしてサジェスト汚染対策サービスのような専門業者もあります。成果報酬型を用意しているところもあるので、費用感を含めて複数社に確認するとよいでしょう。

よくある質問

エゴサーチは経営者本人がやったほうがいいですか?

実務は担当者に任せ、経営者は月1回の報告を受ける形をおすすめします。本人が見ると感情的な反応になりやすく、また多忙で継続しにくいためです。ただしレベル2以上の判断は経営者が行うべきなので、報告のルートだけは必ず作っておいてください。

何も見つからない月が続きます。やる意味はありますか?

あります。「何もなかった」という記録が積み上がっているからこそ、変化が起きたときに「いつから出たのか」が分かります。この起点の日付は、後で相談や申し立てをするときに重要な情報になります。

1回のエゴサーチにどれくらい時間をかけるべきですか?

キーワード5語程度なら30分が目安です。時間をかけすぎると続かないので、45分を超えるようなら見る対象を絞るか、サジェストの部分を自動化するかを検討してください。

まとめ

会社のエゴサーチのやり方は、担当者・頻度・キーワードを先に決め、シークレットウィンドウで3エンジンを回し、SNSと口コミを見て、記録シートに残すまでが1セットです。1回を丁寧にやるより、雑でも毎月同じ手順で残すほうが価値があります。

見つけたものは3段階で切り分け、レベル1は記録のみ、レベル2は社内確認、レベル3で初めて外部に相談します。手動での巡回が負担になってきたら、まずサジェストの取得だけを自動化するのが、いちばん費用対効果の高い一歩です。

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の事案については弁護士にご相談ください。

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この記事を書いた人

三田 健司のアバター 三田 健司 株式会社アクセス・リンク 代表取締役 / 認定SEOコンサルタント

(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント。株式会社アクセス・リンク代表。10年以上にわたりSEOコンサルティングとホームページ制作に携わり、40業種・100サイト以上の改善に立ち会ってきました。

この仕事をしていると「検索結果に何が出ているか」で問い合わせの数がはっきり変わる場面に何度も出会います。なかでもサジェスト(検索候補)は、本人がいちばん見ていない場所です。取引先や求職者から指摘されて初めて気づく、という相談が実際に少なくありません。

指摘される前に自分で気づける仕組みがほしい。そこから AccessSuggest を作りました。このブログでは、サジェスト汚染や風評被害について「まず自分でできること」を、専門用語を避けて書いていきます。

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