まとめサイトやアフィリエイト記事に自社のことを悪く書かれたとき、連絡できる先は大きく3つあります。記事を載せているサイトの運営者、そのサイトが借りているサーバー会社(ホスティング事業者)、そして記事に広告を出している広告主・ASPです。掲示板の書き込みと違って、まとめ記事には必ず「載せると決めた人」がいます。ここが、対処の手がかりになります。
この記事では、費用をかけずに自分で動ける範囲を中心に、3つの連絡先それぞれへの依頼の手順を整理します。
まとめサイトの記事の削除依頼は「3つの連絡先」に分けて考える
掲示板の書き込みと違い、まとめ記事には必ず「編集した人」がいる
匿名掲示板の書き込みは、書いた本人が誰か分からないまま残ります。一方まとめ記事は、誰かが素材を集め、見出しをつけ、並べ替えて公開したものです。つまり「編集という行為をした運営者」が存在するため、依頼を出す相手がはっきりしているという意味では掲示板より動きやすい面があります。
掲示板そのものへの削除依頼については、5ch・爆サイの書き込みを削除依頼する流れ|依頼前に確認することと自分でできる範囲で扱っています。引用元の掲示板とまとめ記事は別の窓口になるので、分けて考えてください。
連絡先は運営者・サーバー会社・広告主の3つ
この記事で扱うのは、次の3つのルートです。順番に試していくのが基本になります。
- サイト運営者……記事を載せた本人。問い合わせフォームやメールで直接依頼する
- ホスティング事業者(サーバー会社)……運営者が応じないときの次の相手。「送信防止措置」の申出を出す
- 広告主・アフィリエイトASP……記事が収益目的で書かれている場合の、もうひとつの経路
なお「記事を消す」以外に、自社の情報を発信して検索結果の見え方を変えるという方向もあります。その効果と限界についてはネガティブな記事の順位を下げるには?逆SEOの効果と、その前にやるべきことにまとめています。この記事は「押し下げ」ではなく「連絡先ごとの実務」に絞って進めます。
まとめサイト・アフィリエイト記事とは何か
「まとめサイト」と呼ばれるものの中身
まとめサイトとは、掲示板やSNSの投稿、他サイトの記事などを集めて再編集し、ひとつのページとして公開しているサイトです。「〇〇工業はやばい?口コミを徹底調査」といった見出しで、中身は他人の書き込みを並べただけ、という記事も少なくありません。
アフィリエイト記事は、そこに広告収入の目的が加わったものです。読者を別のサービスの申込みページへ誘導するため、比較対象として実在の会社名を出し、片方を落として書く構成がよく使われます。個人的な恨みではなく、アクセスと収益のために書かれている点が掲示板の書き込みとの違いです。
なぜ検索結果の上の方に居座るのか
この種の記事は、社名や店名を「評判」「口コミ」「やばい」といった言葉と組み合わせて作られています。自社サイトは会社案内やサービス紹介が中心で「評判」という言葉をほとんど使わないため、その語での検索ではまとめ記事のほうが強く出てしまう、という構図です。
取引先や求職者が実際にどこを見ているのかは、会社の評判はネットでどこまで調べられる?取引先が見ている5つの場所で整理しています。人目に触れる位置かどうかを把握してから動いてください。
削除依頼の前に確認する4つのこと

①記事の記録をとる
依頼を出すと記事が書き換えられたり非公開にされたりすることがあり、あとから「どこが問題だったのか」を説明できなくなります。ページ全体のスクリーンショット、URL、確認日時の3点を先に残してください。ブラウザの印刷機能でPDF保存しておくと、ページ全体とURLが一枚に収まります。
②「事実と違う部分」と「感想の部分」を分ける
ここが依頼の通りやすさを左右します。「対応が雑で最悪だった」は感想ですが、「〇〇工業は行政処分を受けている」は事実の主張で、違うことを資料で示せます。依頼文では感想への不満ではなく、事実と異なる記述を具体的に指摘するのが基本です。
感想や評価をどう扱うかという考え方そのものは、口コミサイトの悪い書き込みへの対応|放置と反論、どちらが正解かで扱っています。すべてに反応しない、という判断も含めて先に方針を決めておくと迷いません。
③引用元がどこかを確認する
まとめ記事の内容は、たいてい別のどこかから持ってきたものです。引用元が特定できれば「元の書き込みは削除済みである」という事実が依頼の材料になりますし、引用元が1か所ならそちらを先に対処したほうが早い場合もあります。
④社内の窓口と判断者を決める
複数の社員がそれぞれ独自に連絡してしまうと、話がこじれます。誰が窓口になり、どこまでを現場判断で進めてよいのかを先に決めてください。この点は会社への誹謗中傷の対応|社内でまず決めておくべき5つのルールに手順があります。まとめ記事への対応も、同じルールに乗せて運用するのが安全です。
連絡先① サイト運営者への削除依頼
運営者の連絡先の探し方
まずはサイト最下部(フッター)の「お問い合わせ」「運営者情報」「プライバシーポリシー」を見てください。見つからない場合は次の順で探します。
- サイト内検索で「お問い合わせ」「contact」を探す
- ドメインの登録情報(WHOIS)を検索サイトで調べる
- サイトが使っているブログサービスの運営会社に、通報フォームがないか確認する
依頼文に書く5つの要素
依頼文は感情的にならず、短く事実を並べるほうが通りやすくなります。
- 該当記事のURLと記事タイトル
- 問題としている記述を、引用の形でそのまま書き写す
- その記述のどこが事実と違うのか(できれば資料を添える)
- その結果どういう不利益が生じているか
- 依頼者の会社名・担当者名・連絡先
「削除してください」ではなく「該当部分の訂正、または削除をご検討ください」と書くと、記事全体は消せなくても部分修正には応じる、という着地になることがあります。
送ったあとの動き方
送信した日・送信先・本文は必ず控えを残します。返信がなければ1〜2週間を目安に次のルートへ進んでください。催促を重ねても状況が動かないことは多いので、待つ期間を先に決めておくのが現実的です。
連絡先② ホスティング事業者への送信防止措置の申出

送信防止措置とは
送信防止措置とは、発信者本人ではなく、その情報を置く場所を提供している事業者(サーバー会社など)に対して発信を止めるよう申し出る仕組みです。プロバイダ責任制限法にもとづく手続きで、「プロバイダ責任制限法 送信防止措置 依頼書」で検索すると業界団体が公開している書式が見つかります。
ここで大事なのは、申し出れば必ず止まる仕組みではないという点です。事業者は発信者に意見を照会し、期限内に反論がなければ措置を取る、という流れになります。反論があれば事業者の判断で止めない、ということも起こります。
サーバー会社の調べ方
「IPアドレス 検索」「ドメイン whois」などで出てくる無料の調査サイトにドメイン名を入れると、IPアドレスと、その範囲を管理している事業者名が表示されます。事業者名が分かったら、その会社のサイトで「権利侵害」「削除依頼」「送信防止措置」といった案内ページを探してください。
申出に必要なもの
一般的には、依頼書(署名または記名押印したもの)、該当URL、問題となる記述の引用、侵害されたとする権利の内容、本人確認書類の写しが求められます。郵送のみ受け付ける事業者も多いので、書式と提出方法は必ず事業者の案内ページで確認してください。
連絡先③ 広告主・アフィリエイトASPへの連絡
収益が止まると記事の扱いが変わることがある
アフィリエイト記事は、広告収入があるから存在しています。記事の中に商品やサービスへのリンクがある場合、その先の広告主と、あいだを仲介しているASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ=広告主とサイト運営者をつなぐ会社)が関わっています。
広告主やASPには、たいてい「不適切な掲載についての報告窓口」があります。他社を貶める内容で自社商品を宣伝されるのは広告主にとっても望ましくないため、広告主側から掲載方法の是正を求めてもらえる場合があるというのがこのルートの狙いです。
連絡するときの注意点
「御社の広告が問題記事に載っている」と事実を伝えるだけにとどめ、広告主自身を非難する書き方はしないでください。事実の共有として連絡するほうが動いてもらえますし、広告主に落ち度があるかのような表現を公の場に書けば、こちらが別のトラブルを抱えることになります。
3つとも動かなかったときの選択肢

自社の情報を厚くして、見え方を変える
記事が残っていても、社名で検索したときに自社の情報が十分に出てくれば読み手の印象は変わります。会社概要や運営者情報を具体的に書くこと自体が信頼につながるという話は、会社概要・運営者情報の充実が信頼につながる理由|風評リスクを下げる書き方に整理があります。
なお、検索候補(サジェスト)にネガティブな言葉が出てしまっている場合の相談先としては、成果報酬型の対応を行っているサジェスト汚染対策サービスのような選択肢もあります。自分でできる範囲を試したうえで、それでも動かないときの候補として知っておくとよいでしょう。
弁護士に相談する線引き
事実と異なる記述で売上や採用に実害が出ている、複数のサイトに転載されて手に負えない、相手から金銭を要求されている。こうした状況なら、自力での対応から切り替える段階です。判断材料はサジェストの削除は弁護士に相談すべき?依頼を検討する4つのケースと相談前の準備にまとめています。相談前に記録一式をそろえておくと話が早く進みます。
二次拡散と検索候補への波及を監視する

まとめ記事は、別のまとめ記事に転載される
この種の記事の厄介なところは、1本消えても同じ内容が別のサイトに現れることです。1本目で終わりにせず、社名や店名で定期的に検索して新しい記事が出ていないか確認してください。月に一度でも続けているかどうかで、気づくまでの時間が変わります。
検索候補に化けるまでにはタイムラグがある
まとめ記事が読まれ「社名+やばい」などで検索する人が増えると、その組み合わせが検索候補に表示されることがあります。ただし記事が出た翌日に変わるわけではなく、一定の期間を置いて反映されます。この時間の感覚はサジェストの反映期間はどのくらい?出るまで・消えるまでの目安で説明しています。対処した直後に候補が変わらなくても、失敗とは限りません。
もしすでに検索候補にネガティブな言葉が並んでいる場合は、サジェストの削除方法4つ|自分でできる対処と業者に頼む前の確認点のほうに手順があります。まとめ記事への対応と検索候補への対応は別物なので、両方を並行して進めることになります。
毎日手作業で確認し続けるのは現実的ではないため、社名や店名を登録しておいて自動で検索候補の変化を拾う仕組みを持っておくと、二次拡散の兆しに早く気づけます。
よくある質問
引用元の掲示板の書き込みが消えれば、まとめ記事も消えますか?
自動的には消えません。まとめ記事は引用元の内容をコピーして自分のサーバーに保存しているためです。ただし「引用元はすでに削除済みである」という事実は、運営者やサーバー会社への依頼に添える材料になります。
削除依頼を出したことで、かえって話が広まりませんか?
その可能性はゼロではありません。だからこそ、依頼文は事実の指摘にとどめ、感情的な表現や威圧的な言い回しを使わないことが大切です。同じ懸念はQ&Aサイトへの対応でも生じます。考え方はYahoo!知恵袋に会社名の質問が立ったときの対応|削除依頼と自社回答の使い分けで扱っているので、あわせて読んでみてください。
費用をかけずにできるのはどこまでですか?
運営者への依頼、広告主・ASPへの報告、送信防止措置の申出までは、郵送費などを除けば自社で対応できる範囲です。発信者の特定や損害賠償の請求という段階に入ると、法的な手続きが必要になります。
まとめ
まとめサイトやアフィリエイト記事への対応は、「どこに連絡するか」を分けて考えるところから始まります。サイト運営者、ホスティング事業者、広告主・ASP。この3つを順に当たっていくのが、自社でできる現実的な進め方です。
どのルートを通る場合でも先に必要なのは、記録を残すことと、事実と違う部分・感想の部分を切り分けておくことです。この2つができていれば依頼文も書けますし、弁護士に相談することになったときもそのまま使えます。1本に対処して終わりにせず、同じ内容が別の場所に出ていないか、検索候補に変化がないかまでを一続きの作業として考えてください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の事案については弁護士にご相談ください。
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