魚拓の取り方|誹謗中傷の書き込みを証拠として残す方法

ウェブページの画面を保存して証拠として残すイメージ(ブラウザ画面・虫眼鏡・時計・書類)

魚拓(ぎょたく)とは、ネット上のページの表示内容を、その時点の姿のまま保存しておくことです。取り方は「ウェブ魚拓などの保存サービス」「スクリーンショット」「PDF保存」の3つが基本で、誹謗中傷の書き込みを証拠として残すなら、URL・日時・投稿者表示がすべて写る形で、書き込みが消される前に複数の方法で保存しておくのが安全です。

この記事では、削除依頼や相談の前に中小企業の経営者・店舗オーナーが自分でできる保存の手順を、注意点とあわせて整理します。

目次

魚拓とは?ウェブ魚拓・スクリーンショット・PDF保存の違い

魚拓は「その時点の表示を残す」ための記録

元の意味は釣った魚に墨を塗って紙に写し取ったものですが、ネットでは「ページの見た目を丸ごと保存した記録」を指します。書き込みは投稿者や運営者によって後から消されたり、書き換えられたりします。削除依頼を出すにも、専門家に相談するにも、「いつ、どこに、何が書かれていたか」を示す記録が土台になります。

3つの保存方法の特徴

  • ウェブ魚拓などの保存サービス:ページのURLを入力して、サービス側のサーバーにページの複製を保存してもらう方法です。保存した複製には専用のURLが付き、あとから同じ画面を再表示できます。ウェブ魚拓の場合、閲覧中のページのURLの先頭に「gyo.tc/」を付けて開くと取得ページへ進めます(最新の使い方と利用規約は公式サイトで確認してください)。
  • スクリーンショット:自分のパソコンやスマートフォンに画面を画像で保存する方法です。手軽で、ログインが必要な画面や、サービスでは保存できないページにも使えます。
  • PDF保存:ブラウザの印刷機能から「PDFに保存」を選ぶ方法です。長いページを1ファイルにまとめやすく、文字として残るため検索もできます。

警察庁の誹謗中傷対策のページでも、掲載されたサイトやSNSの画面を印字し、サイト名・URL・書き込んだ人・書き込み日時・内容を記録しておくよう案内されています。形式は何であれ、この5項目が読み取れることが保存の最低ラインです。

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魚拓を取る前に確認したい3つの注意点

サービスで取得した魚拓は、他の人にも見える場合がある

ウェブ魚拓のようなサービスは、取得した複製を引用したり共有したりすることを前提に作られています。公式サイトのトップページにはフリーワード検索や日付一覧があり、取得された魚拓が第三者から探せる設計です。つまり、悪意ある書き込みをそのまま保存すると、書き込みの複製が新しく公開される形になることがあります。証拠として残す目的であっても、取得したURLをSNSや掲示板に貼って拡散しないでください。社内共有は、画像やPDFに落として限られた人だけで行うのが無難です。

ログインが必要な画面や、後から変わる画面は別の方法で

会員制サイトの画面や、ログイン後にしか見られない口コミ管理画面は、保存サービスでは取得できないことがあります。この場合はスクリーンショットかPDFで自分の画面を残します。また、表示される順位や件数が日々変わるページは、保存した日時が分かるように記録しておきます。

削除依頼を出す前に、必ず保存を済ませる

削除依頼が受理されると、元の書き込みは見られなくなります。依頼のあとに「やはり記録が必要だった」と気づいても、取り直せません。順番は必ず「保存 → 依頼」です。

「URL・日時・投稿者表示」が全部写る残し方

ウェブページの画面を保存して証拠として残すイメージ(ブラウザ画面・虫眼鏡・時計・書類)

1枚の画面に写っているべき項目

  • ブラウザのアドレスバー(URLが全文読める状態)
  • 書き込みの本文と、投稿者の表示名(掲示板なら名前欄やIDの表示)
  • 投稿日時(「3時間前」のような相対表示ではなく、日付が出る画面を選ぶか、別途メモを残す)
  • パソコンの時計など、保存した日時が分かる情報(画面の隅に時計が写るようにする)
  • 前後の書き込みや、スレッドのタイトル(文脈が分かるようにする)

スクリーンショットの撮り方

パソコンでは、Windowsなら「Windowsキー+Shift+S」で範囲を選んで撮影でき、MacならShift+Command+3または4で撮影できます。スマートフォンは端末の標準のスクリーンショット機能で構いません。ブラウザの開発者ツールには、ページ全体を1枚の画像にする機能もあります。ただし、全体を1枚にするとアドレスバーが写らないことがあるので、アドレスバーが写る通常のスクリーンショットも併せて撮っておくのがコツです。

PDF保存の手順と、ヘッダー・フッターの設定

ブラウザの印刷画面(Ctrl+P)で送信先を「PDFに保存」にします。Chromeなどでは、印刷設定の「ヘッダーとフッター」にチェックを入れると、ページのURLと印刷した日付が各ページに入ります。長いスレッドを1ファイルで残したいときに便利です。

書き込みの種類ごとの保存手順

掲示板・まとめサイト

スレッド全体と、該当の書き込みの番号が分かるように保存します。スレッドが長い場合は、最初のページ(スレッドのタイトルと立てられた日時)と、該当のレスが写るページの両方を残します。掲示板ごとの削除依頼の流れは、5ch・爆サイの書き込みを削除依頼する流れで詳しく解説しています。

Xなどのソーシャルメディア

投稿そのもののほか、投稿者のプロフィール画面(アカウント名とID)と、投稿ページのURLを必ずセットで保存します。アカウント名は後から変更できますが、IDやURLは手掛かりになります。通報や削除依頼の考え方は、X(旧Twitter)の誹謗中傷を削除依頼する手順を参照してください。

口コミサイト・地図アプリの口コミ

口コミの本文、星の数、投稿者の表示名、投稿日が1画面に収まるように撮ります。返信欄が見える場合は、返信した内容と日時も写しておきます。地図アプリの口コミは、Googleマップの口コミを削除依頼する手順も確認してください。

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保存した記録の管理:ファイル名・記録表・保管

ファイル名と記録表の作り方

ファイル名は「日付_サイト名_内容」のように統一し、保存したファイルは1つのフォルダにまとめます。あわせて、サイト名・URL・書き込みの日時・保存した日時・保存した人・保存方法を1行ずつ表に残しておくと、後から経緯を説明しやすくなります。たとえば架空の「〇〇工業」で書き込みが見つかった場合なら、「20261008_掲示板A_〇〇工業の評判スレ」といった具合です。

社内ルールと保管の考え方

「誰が」「いつ」「どう保存するか」を決めておくと、担当者が迷いません。記録作業の基本は会社への誹謗中傷の対応|社内でまず決めておくべき5つのルールで整理しています。保存したデータはクラウドや外部ディスクなど2か所に分けて保管し、元ファイルは加工せずそのまま残してください。

魚拓を残したあとにやること

画面の記録を保存して残すイメージ(ブラウザ画面・書類・クラウド・虫眼鏡)

削除依頼や専門家への相談に使う

保存した記録は、サイト運営者への削除依頼、公的な相談窓口や警察への相談、弁護士への相談のいずれでも、最初に求められる資料です。弁護士に相談すべきかの見極めは、サジェストの削除は弁護士に相談すべき?の4つのケースが参考になります。個別の事案で保存の形式が十分かどうかは、相談先で確認してもらってください。

検索候補・関連キーワードに出ているとき

検索候補(サジェスト)の場合は、書き込みの保存とは別に、検索窓に社名を入れたときの画面を記録します。自分で調べる手順はサジェストの調べ方|自社名の検索候補を自分で調べる3エンジン手順のとおりです。検索結果の見出しが古いまま残っているケースは、Googleのキャッシュを削除したいときは?で扱っています。相談先の選択肢のひとつとして、運営元のサジェスト汚染対策サービス(https://access-link.co.jp/suggest-negative/)には成果報酬型もあります。業者に依頼する前の比較は、風評被害対策会社の選び方を確認してください。

やってはいけない保存のしかた

  • 画像を加工する・文字を書き足す:マーカーや矢印を入れたコピーを作るのはよいですが、元のファイルは必ずそのまま残します。
  • 書き込んだ本人に連絡して消させようとする:感情的なやり取りが新たな炎上を生むことがあります。まず保存、次に相談先を決める順に進めます。
  • 保存したURLを公開の場に貼る:前述のとおり、書き込みの複製を広めてしまうおそれがあります。
  • 1か所・1種類だけで済ませる:スクリーンショットとPDF、必要に応じて保存サービスを組み合わせ、1つが不十分でも別の記録が残るようにします。

よくある質問

Q. 魚拓はそのまま裁判の証拠になりますか?

証拠として使えるかどうか、どの程度の重みがあるかは、事案や手続きによって変わります。保存の形式で不安がある場合は、弁護士に相談して確認してください。

Q. 自分で保存した画面と、サービスで取った魚拓はどちらがよいですか?

どちらか一方ではなく、併用をおすすめします。自分で撮った画像・PDFは日時やアドレスバーを自分で確認でき、サービスの魚拓は第三者のサーバーに複製が残ります。ただし、サービスの魚拓は他者に見える場合があるため、取得したURLの扱いには注意が必要です。

Q. 書き込みがすでに消えていたら、どうすればよいですか?

消えたページは取得できません。過去に自分で保存した画像や、検索結果の画面の記録が残っていれば、それを整理しておきます。今後に備えて、社名を定期的に調べる仕組みを作っておくと、早い段階で保存できます。

まとめ

魚拓は、削除依頼や相談の前に必ず済ませる「最初の一手」です。ポイントは3つです。1つ目は、URL・日時・投稿者表示・本文が1画面で読めるように残すこと。2つ目は、スクリーンショット・PDF・保存サービスのうち、複数の方法で保存すること。3つ目は、保存の順番を「保存 → 依頼」にして、取得した複製のURLを拡散しないことです。

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本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の事案については弁護士にご相談ください。

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この記事を書いた人

三田 健司のアバター 三田 健司 株式会社アクセス・リンク 代表取締役 / 認定SEOコンサルタント

(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント。株式会社アクセス・リンク代表。10年以上にわたりSEOコンサルティングとホームページ制作に携わり、40業種・100サイト以上の改善に立ち会ってきました。

この仕事をしていると「検索結果に何が出ているか」で問い合わせの数がはっきり変わる場面に何度も出会います。なかでもサジェスト(検索候補)は、本人がいちばん見ていない場所です。取引先や求職者から指摘されて初めて気づく、という相談が実際に少なくありません。

指摘される前に自分で気づける仕組みがほしい。そこから AccessSuggest を作りました。このブログでは、サジェスト汚染や風評被害について「まず自分でできること」を、専門用語を避けて書いていきます。

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(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント

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